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数字で見る!英検®準1級

日米講師が2018年の英検®を分析します。

 試験の難易度を示す統計データと言うと、一般的には偏差値や合格者平均点など受験者自身のスコアに関するものがほとんどなのではないでしょうか?しかし、残念ながらこれらのデータからは具体的に何をどれほど勉強すれば合格水準に近づけるかは何も見えてきません。今回は試験問題そのものにフォーカスを当て、各単語の語彙レベルや文の複雑さという観点から英検®準1級の語彙・長文問題の難易度を「見える化」してみたいと思います。例として2018年度第1回の英検®準1級を用いて合格に必要な英語力を分析してみました。

大問1:語彙


 まずは英検®の代名詞とでもいうべき大問1(語彙問題)の難易度レベルを見てみましょう。FIG.1をご参照ください。各単語の使用頻度を多い順に千語単位に分類したデータを用いています。


難易度の高い単語が多く出題された、語彙問題 2018年度第1回の大問1は従来に比べて大幅に難化しており、ここで出鼻をくじかれた人も多かったのではないのでしょうか?
 FIG.1は、大問1の正答を集計し出題語彙を難易度別にレベル分けして分布を示したものです。2017年度の第1回~第3回の平均値(青)と2018年度第1回の値(赤)で比較しています。この図から、これまでの英検®準1級では7千語レベルの語彙の出題率が最も高く、ここを中心に左右になだらかに各難易度の出題語彙が分布していることが分かります。8千語レベル以上の語彙の出現率を足し合わせると高難易度側の語彙の出現率が約38%となっています。
 他方、2018年は、明らかに出題語彙の分布が高難易度側にシフトしていることが分かります。8千語レベル以上の語彙の出現率を積算すると76%となり、2017年度全体のデータに比較して大幅に増加しています。1万語レベル以上の単語は英検®1級レベルであると言えますが、それが6語も出題されていましたので、受験された方は皆さん非常に難しく感じたのではないでしょうか。

語彙を強化して、正答率6割を目指しましょう  語彙の強化策としては、パス単・文単などの英検®準1級対策に特化した単語集を用いて、まずは7~8千語レベルまでの単語を確実に身に着けるようにしましょう。
 ちなみに文科省の学習指導要領による中高の英語必修語彙数は3千語となっていますが、この数字にあまり惑わされてはいけません。難関大学の二次試験では6~7千語レベルがざらに出題されますし、留学時に必要となるTOEFL®テストやIELTSでもまさにこのレベルの語彙力が問われます。語彙の強化には時間がかかるため、早く始めるのに越したことはありません。大問1では一気に高得点を望まずに、当面の目標として6割正答を目指すのが現実的でしょう。

大問2・3:長文読解


 次に、長文問題の難易度を比較してみましょう。ここでは、長文中に使用される全単語数に対する各語彙レベルの分布、および、各出題文の複雑さを示す1文当たりの平均語数に着目してみます。

語彙レベル  FIG.2-左は、大問2・3の単語を集計した結果を、2017年度の第1回~第3回の平均値(青)と2018年度第1回の値(赤)で比較したものです。全体としてみると、両者とも極めてよく似たデータとなっていることが分かります。
 これらの語彙分布をさらに詳しく調べてみると、2017・2018年いずれにおいても7千語レベルまでの語彙力さえあれば、本文中に登場する単語の約98%をカバーできるということが読み取れます。もし、この程度の語彙力をお持ちならば辞書なしにほとんどストレスなく文章を読み進めることができると言われています。ただし、英検®準1級の長文読解における1万語以上の語彙レベルの単語は、本文中にその定義が現れるか、より低いレベルの接頭辞・接尾辞から成る複合語かのいずれかであり、意味が容易に分かるようになっています。そのためこれらの語彙を予め覚えておく必要は全くありません。したがって、これらの超難易度語彙は上記のカバー率の算出からは除外しています。

一文中の単語数  文の複雑さの指標となる1文当たりの平均語数も(FIG.2-右 を参照)、大問2・大問3全体を通して見ると、2018年度第1回では23.5語であり、2017年度の平均22.1語と比較してやや難化傾向があるとは言え、それほど大差はありませんでした。ちなみに、このレベルの文章は英語ネイティブの大人のインテリ層が読むNew York Timesなどの新聞やアカデミックな雑誌に掲載される記事の難易度と同等レベルです。


難しさの原因は、個々の設問で異なっていた  しかし、個別の問題のデータをより詳細に見て行くと、2018年度第1回の長文問題がなぜ難しかったかが浮かび上がって来ます。
 大問3のAirplane Graveyardsでは、FIG.3に示すように8千語~1万語レベルの単語が多く登場しており、高度な語彙知識が必要であったことが分かります。また、大問3のThe Zoot Suit Riotでは、FIG.4に示すように、必要語彙レベルは平均的でしたが、1文当たりの平均語数が27.1語ととても長く、その上あまり馴染みのないトピックであったことも災いして、内容理解に苦労された人が多かったのではないでしょうか。

長文読解の要は単語力!  長文読解への対策としては、単語力の強化がまず必須であることは言うまでもありません。長い文を効率よく理解するには、主語と動詞に着目して各文の大意を素早く把握することと、”however”, “as a result”などの文章の流れを示すDiscourse Markerを押さえることがとても役に立ちます。

 以上、語彙レベルの分布、1文中に含まれる単語数に着目して最新の英検®準1級の難易度を見える化してみましたが、いかがでしたでしょうか?同様の難易度分析法は入試問題やTOEFL®テストなど他の試験にも応用できます。皆さんの今後の学習のお役に立てていただければ幸甚です。

筆者紹介

資格対策のプロ 尾崎先生エンジニア出身の理系の先生です。日本人英語学習者が苦手とする発音や発声法、リスニングの学習法を得意としています。また、TOEIC(R)テストや英検(R)をはじめとする資格試験に関して、徹底的に分析し、出題傾向やコツを熟知した「資格対策のプロ」です。
日米では、川西校で資格対策のクラスを担当しています。

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