日本人の思い込みにつっこみ!生の英会話で忘れてはいけないこと

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この日、ライターの児島奈美は疲れ切っていた。

 

―― どうしたんですか?

 

児島「いやね、さっきライター同士の交流会があったんだけど、全国から人が集まってきててさ、関西在住っていうだけで『きっとスピーチがおもしろいんだね!』って期待されちゃうんだよ」

 

―― で、ウケたんですか?

 

児島「……」

 

―― すべったんですね……。

 

児島「……うん……」

 

―― 関西人だからって、みんながみんな面白いわけじゃないですもんね。

 

児島「そうなんだよ!なんで、そんな偏見を持つかなぁ!」

 

―― 同じ国の人同士でも偏見や先入観があるんだから、外国から来て日本で暮らしている人たちは苦労してるでしょうね。

 

児島「ほんとだね。そうだ!調べてみよう!」

次の日、児島は神戸三宮の「英語を使えるバー」にやってきた

【登場人物】
デイビッド・コール/ディレクター 出身地:アメリカ (写真左)
グレッグ・ムック/店長 出身地:アメリカ (写真中)
アンジー/スタッフ 出身地:リトアニア (写真右)
児島奈美/ライター 出身地:日本

 

 

児島「このあたりに『英語を使えるバー』をコンセプトにしたお店があるって聞いたんだけど……。あ、このエレベーターで4階に上がるんだね」

 

そして、4階に到着。

 

児島「大丈夫かなぁ?ドキドキしてきたよ……」

 

デイビッド「いらっしゃい。ディレクターのデイビッドです。どうぞ、どうぞ、カム・イン!」

 

児島「ありがとう。店内はとっても広いですね。それに、なんだか懐かしい!サンフランシスコやハワイのバーを思い出します」

デイビッド「ここはサンフランシスコやシアトルのバーをイメージしているんだよ。外国の人は『母国に戻ったようだ!』とリラックスしてくれているし、留学していた日本人からは『アメリカのお店みたい!』と喜んでもらっているよ」

 

グレッグ「ようこそ。店長のグレッグです。アメリカっぽいといえば、この店は海外のバーと同じく、キャッシュ・オン・デリバリーだよ」

 

児島「ドリンクや料理と引き換えに、お金を払うスタイルだね。日本では最後にまとめて会計するのが一般的だから、ますます懐かしい!」

 

アンジー「ハイ!スタッフのアンジーよ。ここでは注文は英語が基本。気軽に私たちに英語を使ってね!」

 

デイビット「日本では、英会話スクールなどの“ラーニング・イングリッシュ”の場はあっても、“ユーズィング・イングリッシュ”の場がほとんどないよね。ここは外国体験ができる新しいスタイルのバーを目指しているんだ」

アメリカの人々はパーティーピーポーでテンション高い?

児島「さて、いきなりで恐縮ですが、今回は、日本人と外国人との間にある偏見や先入観について聞いてみたくって……。日本人から『○○人はこんな人だよね』って決めつけられたことってある?」

 

デイビッド「あるよ!私もグレッグもアメリカ人なんだけど、アメリカ人はパーティー好きで、テンションが高いと思われることかな」

 

児島「なんだかわかる気がする!」

 

デイビッド「でも、みんながそうではないよ(笑)。グレッグはむしろシャイで、落ち着いた雰囲気だよ」

 

グレッグ「このバーもライブやスポーツ観戦で盛り上がることはあるけど、普段は日本のバーやカフェと同じように、ごく普通のテンションだしね」

 

児島「……その通りだね。反省です。ところで、アンジーは、何かある?」

 

アンジー「私はリトアニア出身なんだけど、初めて会った人のほとんどがリトアニアを知らないせいか、偏見はないかな(笑)」

 

児島「ロシアと東欧の間にあるバルト三国のひとつだよね。行ったことがあるよ。首都の旧市街地はヨーロッパの昔の街並みが残っていてかわいいよね!杉原千畝でも有名だけど、一般の日本人には場所すらわからないかも……」

 

アンジー「ブルガリアの隣?と聞かれたり(笑)」

 

児島「……偏見以前の問題だね(笑)」

日本人は英語になると相手のプライベートに踏み込んでしまう?

児島「ところで、逆に日本人に何か偏見や先入観を持っていますか?」

 

デイビッド「日本人には良いイメージしかないね」

 

グレッグ「特に日本の建物やアート、文化、料理は、海外からとても良いイメージを持たれているよ」

 

アンジー「日本に住んでいると地元の友だちに言えば、『いいね~』と羨ましがられる!」

 

児島「それは嬉しい!(でも、本当はちょんまげや芸者って言ってほしかったり……)」

 

アンジー「テレビやインターネットで情報も簡単に得られるから、その国独特の偏見や先入観って、今はあまりないんじゃないかしら?」

 

デイビッド「アメリカと日本は、旅行や仕事、留学などで直接行き来する人も多いもんね」

 

グレッグ「国より個人の性格を大切にするしね」

 

児島「(『○○人は○○だ』というステレオタイプの考え方こそ、日本人の偏見かもしれないなぁ……)」

グレッグ「ただ、外国の人は基本的にテンションが高いと思われていることにも少し関係しているんだけど、日本人は初対面でいきなりパーソナルな質問をしてきて困るかな。もちろん、フレンドリーに接してくれるのは嬉しいんだけど、やっぱり初対面の人からパーソナルなことを色々と聞かれるのは抵抗があるね」

 

アンジー「どこから来たの?日本に住んで何年?年齢は?職業は?みたいに、いきなり次々と聞かれる」

 

児島「(うわ~、あるある。つい、やっちゃう~!相手が日本人なら遠慮しちゃうのにな……)」

 

グレッグ「学校や英会話スクールの影響も大きいのかな。レッスンで先生との会話なら問題ないけれど、習った通りの英会話をそのまま初めて会った外国の人にも当てはめて会話をしようとするのかもしれない」

 

児島「なるほど。そうかも!」

 

デイビッド「私たちは、初対面でそんな会話はしないよ。日本人同士でも、男性が初対面の女性にいきなり、どこから来たの?年齢は?仕事は?なんて聞かないよね。アンジーは美人だけど、初対面でいきなり『キレイだね!』と言うのもNGだよ(笑)」

 

児島「すご~く、よくわかる例えです(大反省)」

外国の人が実践するステキなコミュニケーション術を聞いてみた

児島「では、どんなふうに会話を始めるのがスマートですか?」

 

デイビッド「まわりのことから会話を始めるといいよ。『お店の絵がオシャレだね』とか『素敵な服だね』とか。その場の空気を和ませるんだ」

 

アンジー「アイスブレイカーね」

 

児島「アイスブレイカー?」

 

アンジー「人の緊張や不安を氷(アイス)で例え、それを壊す・溶かす(ブレイカー)という意味。初対面の相手の緊張をほぐす方法よ」

 

グレッグ「このバーなら、最初はメニューを見ながら料理の話をしても良いね」

 

デイビッド「そんなふうにさしさわりのない会話をして、3 つ目か4つ目ぐらいの質問から、本人のことを聞き始めると良いよ」

 

児島「なるほど。その方が緊張もほぐれて、会話が進みそうだね。ちなみに、英語が苦手な人でもうまく外国人とコミュニケーションできる方法ってありますか?」

 

グレッグ「日本人は完璧に話そうとするけど、片言でもいいんだよ」

 

アンジー「あとは、ジェスチャーと笑顔かな。特にスマイルは大切よ」

 

デイビッド「間違っていても気にせず、どんどん話すこと。私たちは文法や単語などの間違えをあまり気にせず話をするよ。以前、日本人の友だちのヒゲをほめようと思ったら間違えて『良いハゲだね』って言ってしまい、しかも、その彼が坊主頭だったから焦ったことはあったけど(笑)。でも、失敗は恐れずに!」

日本人と話すのと同じような感覚で積極的に英会話を使ってみて

さて、今回は街へ飛び出し、日本在住の外国の方にインタビューをさせてもらいました。

 

テレビやネットで海外の情報も手に入れられる昨今、大きな偏見は少なくなっているものの、日本人は外国の人と英語で会話をする際、どうも気負い過ぎてしまっているようです。

 

片言の英語でも、ジェスチャーなどを駆使しながら“伝えよう”とすることが大切です。なぜなら、英語はコミュニケーションのための道具だから。使ってこそ生きるものなのに、その道具の完璧さにこだわり過ぎるのは、もったいないですよね。

 

デイビッドさんが言っていたように、相手が外国の人でも、日本人と話すのと同じような感覚で礼節を保ちつつ、積極的に英会話を使ってみることが、英語を上達させ、国際交流を深めていくのだと思いました。

 

今回、ご協力いただいたのは、神戸三宮の「Bar iznt」。デイビッドさん、グレッグさん、アンジーさん、本当にありがとうございました。ちなみに「Bar iznt」は、お酒やソフトドリンクを飲むだけならノーチャージ。スタッフもフレンドリーで誰でも気軽に入れます。ライブなどのイベントも多数あっておもしろいですよ!

 

【取材協力】
Bar iznt(バー イズント)
住所:神戸市中央区下山手通 1-1-8 M:2nd.ビル4F
電話:078-334-3040
営業時間:17:00~25:00(LO24:30)、 金 土17:00~late、日17:00~24:00(LO23:30)
定休日:なし
HP:http://iznt.net

 

筆者:児島奈美/トラベルライター
旅行雑誌やWEB等で、国内外問わず現地へ足を運び取材・撮影を行う。得意分野は、旅のルポ、グルメ取材、人物インタビューで、渡航した海外はプライベートを含め約40か国。雑誌立ち上げのために約3か月、ベトナムに滞在したほか、プライベートで欧州周遊(約3か月)、米国横断(約1か月)、東南アジア周遊(約3週間)、米国滞在(約1年)の経験も持つ。実践の場で英語を使うことが多く、「英語はツール」をモットーに、わかりやすく使える英語を心掛けている。

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