インバウンドビジネスを掴む英語コミュニケーション力

コロナ禍以降、訪日外国人旅行者が過去最高を記録しています。外国人旅行者は日本経済の発展に欠かすことすことができず、個々の事業者にとっても収益を上げる大切なお客様です。しかし、英語をはじめとする言語対応の不足やミスコミュニケーションから、収益拡大の機会損失やトラブルが発生してしまうこともよくあります。
そこで、今回は、インバウンド対応に必要な英語コミュニケーション力について、考えていきます。
インバウンドの現状は?

国土交通省の調べ(観光の現状について|首相官邸ホームページ)によると、2024年6月の訪日外国人旅行者数は、約314万人と単月として過去最高となりました。昨年10月より9ヶ月連続で単月ではコロナ禍前の水準を回復しているそうです。もし、このペースが続けば、2024年度は3,500万人に達する可能性があると言われています。訪日外国人旅行者数が増えている要因は、円安の影響もありますが、何と言っても日本の文化や食、風景、安全性やおもてなしに対する魅力があるからでしょう。
訪日外国人旅行者が困っていること

多くの外国人が日本に魅力をもって旅行にきてくれることは喜ばしい事ですが、一方で、外国人が来日した際に困ることもあるようです。観光庁の「訪日外国人旅行者の受入環境整備に 関するアンケート」の調査結果(令和5年度)」によれば、コロナ禍前の令和元年度と比較すると、「困ったことはなかった」と回答した割合が全体の29.7%で▲8.9%と減少しました。しかしながら、困った内容の項目別の割合では、「ごみ箱の少なさ」が30.1%(前回比+6.7%)で最も多く、次いで「施設等のスタッフとのコミュニケーション」が22.5%(前回比+5.5%)、「多言語表示の少なさ・わかりにくさ」が13.4%(前回比+2.3%)でした。上位3項目のうち2項目が言語に関連する内容で、いずれの割合も前回調査より増加しておりました。残念ではあるものの、現実的にこの結果は納得できるものではないでしょうか。
インバウンド対応に必要な英語コミュニケーション力とは?

では、外国人観光客をおもてなしするのにどれくらいの英語力が必要なのでしょうか?
当然ですが、業界や職種によって求められる力が異なるため、一概には言えません。そのため、今回は外国人観光客が訪れる観光スポットにある一般的な飲食店の接客業務にスポットを当てて考えてみたいと思います。
お客様が来店されたら「いらっしゃいませ(例:Welcome!)」から始まり、「何名様ですか?(How many in your party?)」など接客応対の基本パターンがあります。これらの基本パターンは、お店によって接客の仕方が若干違っていても、使うフレーズとしては大きな違いはありません。そして、これらの基本パターンで使われる単語や文法は基礎レベル(中学校レベル)のものがほとんどですので、初級者でも習得しやすく、一定範囲なら比較的短期間でも使えるようになるでしょう。そのため、初級者はまず基本となる定型パターンをできるだけ習得できるように努めたいです。
一方で、ある程度英語力が必要になってくるのが、個別対応が発生する場面ではないでしょうか?例えば、注文の際にアレルギー食材のことを尋ねられたり、調理方法に対するリクエストを受ける場合などです。このような場合には、基本フレーズの丸暗記だけでは応対が難しくなりますが、まずは、完璧ではないにしろ外国人のお客様が伝えたい内容が大まかに理解できるだけのListening力を身に着けておきたいです(目安:CEFR* B1レベル)。
* CEFR(Common European Framework of Reference for Languagesの略称)ヨーロッパ言語共通参照枠
【参考】TOEIC Program各テストスコアとCEFRとの対照表|【公式】TOEIC Program|IIBC
初級者~中級者に効果的な学習方法は?

初級者には基本パターンを習得することが大切であるとお伝えしましたが、外国人を相手に特定のシチュエーションを設定し、ロールプレイングをする学習方法が効果的です。疑似訓練で繰り返すことで記憶も定着しやすく、比較的スムーズに現場で活かすことができます。また、事前に失敗経験を重ねることもできるのでお勧めします。
一方、中級者の場合、パターンのバリエーションを増やしつつ、実際の業務において困ったシーンを外国人講師に再現してもらい、つまずきのポイントを把握することや相手の理解度(どれだけ伝わっているか)を実感しながら、実践型のトレーニングを積むことが有効です。また、語彙力を増やすことも重要です。基本パターンでの応対は問題がなくても、やや複雑な内容になるとお客様が何を求めているのかがわからなくなり、焦ってしまいます。焦ると余計にわからなくなるという悪循環を生むので、そうならないためにも、重要な単語だけでも聞きとれるよう、お店で使われる主な食材等の単語を調べたり、市販の書籍などで優先的に覚えるようにしましょう!(例:甲殻類(shellfish)やゴマ(sesame)など)。
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