留学に必要な英語力

留学に必要な英語力はどれくらいか、留学に興味を持った方は皆さんが感じる疑問でしょう。どんな目的で留学するかによって、その答えは変わります。英語が話せないと留学ができないかというと、そういう訳ではなく、英語が話せなくても留学する方法はあります。「留学したいな」と思っている方は、英語ができないことを理由にあきらめる必要はありません。自分の英語力でも実現できそうな留学方法を探してみましょう。まずは、留学の方法別に、どれくらいの英語力が必要か見ていきましょう。

■語学留学に必要な英語力

語学留学とは、海外の英語学校に通う留学のことです。英語を学ぶための学校に入るため、スタート時には英語力は不要です。入学時に英語のテストがあり、レベルによってクラス分けがありますので、極端に言うと、英語力ゼロでも語学留学には挑戦できます。
ただし、留学期間には限りがあります。滞在中に最大限英語力を伸ばそうと思うと、少しでも上のクラスに入って、レベルの高いクラスメイトとお友達になったり、現地の方々と交流して楽しんだりすることが効果的です。周りの英語レベルによって、英語の上達スピードが変わってきます。現在英語力ゼロスタートの方は、基本的な単語や文法知識だけでも、出発前に学んでいくことをお勧めします。

■ワーキングホリデーに必要な英語力

ワーキングホリデーとは、働きながら海外で生活ができる制度です。国により年齢制限など条件がありますので、行きたい国で条件を確認してみてください。外国で働くことになりますので、一般的には英語力は中級くらいが必要と言われています。TOEICでいうと600点くらいです。それより低い英語力でも、日本食の飲食店や農家で働くなど、英語をあまり使わない仕事を探すことができれば、働くことはできます。ただし、仕事を見つけるための面接は英語で行われる場合が多いですので、その準備や仕事が見つかるまでの資金は確保してから出発することをお勧めします。

■海外の専門・大学進学に必要な英語力

専門学校や大学、大学院に留学したい場合は、更に高い英語力が求められます。入学時に、TOEFLテストやIELTSなど英語資格のスコアにおいて、基準レベルを超えていないといけない場合が多いです。基準レベルについては、どの国のどの学校に進学するかによって、異なってきますので、希望する進学先がある方は早めにその基準を達成するために英語学習を始める必要があります。
現在の英語レベルで進学先を探したい方は、TOEFL iBT60点くらいを持っていれば、留学できそうな大学を、45点くらいあれば専門学校を探すことができます。専門学校進学して、編入で大学を目指すこともできますし、条件付き留学として大学に併設された語学学校での授業を数か月受けてから大学入学を目指す方法もあります。また、最低限の英語力を身につけるために、自力で語学留学やワーキングホリデーで英語力を伸ばしてから大学を目指すのも良いと思います。英語力が低くても、専門学校・大学進学の方法の道を模索してみましょう。

英語ができないけど留学したい人におすすめの留学先

英語力ゼロだけど、海外留学したい、という方もいらっしゃると思います。一から英語を学ぶためにおすすめの留学先をご紹介します。

■フィリピン

気軽に英語を学ぶ留学先として人気なのはフィリピンです。語学学校ではマンツーマン体制が多く、自分の英語力に合わせて英語を学習することができるため、特に一から勉強する場合は学びやすいです。語学学校の寮で生活することができ、自主学習できる環境も整っている学校が多いです。日本から人気ということもあり、日本人スタッフや日本からの留学生も多いため、生活のための英語力に不安がある方の安心材料となります。他の英語圏に比べて、費用を抑えることができるのもフィリピンが選ばれる理由の一つ。費用が安い分、長期留学にもしやすいです。

■カナダ

世界中から留学生が多いのがカナダです。語学学校の数も多く、また英語のなまりが少なくてきれいな英語が学べると言われているため、人気となっています。そのため、カナダに拠点がある日本の留学エージェントが多く、万全のサポート体制で留学を実現したい方にはおすすめです。
ワーキングホリデーのビザも利用できますので、現地で働きながら英語を学ぶことも可能です。

■オーストラリア

英語圏で過ごしやすい国として人気があるのはオーストラリアです。夏も冬も気候としては非常に過ごしやすく、治安も良いと言われています。様々な国の方が移住しているため、どの街も多国籍で、外国人扱いされずに過ごせることも住みやすさに繋がっています。英語が話せない移住者や留学者のための教育環境も整っているため、英語学習がしやすいです。
オーストラリアもワーキングホリデーのビザが利用できますので、現地で働きながら英語を学ぶことができます。

■ニュージーランド

治安の良さを求めるのであれば、ニュージーランドがおすすめです。自然豊かな環境で、気候も良く、のんびりと英語学習に集中できます。教育の質も高く、留学生を積極的に受け入れており、中学留学先や高校留学先もあります。自然の中でのアクティビティも充実しているため、休日に楽しめることも間違いなしです。

■マルタ

ヨーロッパに気軽に英語留学したい場合は、マルタがおすすめです。イタリアのシチリア島の下、地中海にあり、リゾート地としても有名ですが、ヨーロッパの中では比較的安く語学留学ができます。イギリス英語が学べます。様々な国から留学生がくるため、たくさんの国に友達ができます。ヨーロッパは多くの国が隣接しており、マルタに滞在中に周辺のヨーロッパの国を楽しむこともできます。

英語ができないけど留学したい人が知っておくべきポイント

■短期留学よりも長期留学が確実に英語力が身に付く

英語ができないレベルから、日常会話ができるようになるには、英語環境で半年ほどは過ごす必要があります。はじめはインプットすることが多かったり、周りで飛び交う英語の中から知っている単語を拾うことで精一杯ですが、3ヶ月くらいたってくると、急に英語が聞けるようになります。英語の勉強法が分かってきて、授業の内容もすぐに自分のものとして使えるなど、そこからの英語力の伸びが加速します。数週間から１ヶ月くらいの短期留学ですと、環境や生活に慣れ、これから英語を頑張ろう！というタイミングで帰国となってしまいますので、英語力UPをめざすのであれば、ぜひ長期の留学を計画しましょう。

■滞在方法を複数検討する

留学をするときの滞在方法はいくつかあります。ホームステイ、学生寮、シェアハウス、ホテルなどが挙げられます。留学で何を重視したいかによって、検討してみましょう。
費用を抑えたい場合はシェアハウス、英語力が低いけど現地の人とコミュニケーションの機会が欲しい場合はホームステイ、一人の時間を確保しながら勉強も集中したい方は学生寮、便利に暮らしたいならホテルとなります。自分のニーズと向き合い、いくつかの選択肢で探してみて、決めてみてはいかがでしょうか。

■留学先は1ヶ国にとらわれない

これまで色々な留学の選択肢をお話してきました。長期留学したいけど初めてなので不安、行きたい国があるけどいきなり行くにはハードルがある、海外進学したいけど英語力が足りない、など不安材料がある方は、２回に分けて留学する選択肢も検討してはいかがでしょうか。

２か国留学として、２つの国に時期を分けて留学する方もいらっしゃいます。例えば、フィリピンでの語学留学で安価に英語の基礎力を伸ばしてから、行きたい国に長期で留学するなどができます。

■事前に英語の勉強をしておくことでより実りのある留学機会となる

英語力ゼロで留学に行くことになったとしても、出発前に英語を勉強することで、有意義な留学になることは間違いありません。少しでも英語が理解でき、話せるようになっておくと、はじめから現地の方とのコミュニケーションが取れ、友達も作りやすくなります。話せない不安が積もって、せっかく留学しているのに部屋からなかなか出ていけないという方もいらっしゃいます。ぜひ事前準備として英語を勉強して出発しましょう。

英語ができない人が留学前に英語力を身に着ける方法

充実した留学にするために英語を勉強しよう、と思っていただいても、では何から手を付けて良いか分からない、何を最低限したら良いの？という方が多いと思います。事前準備の方法をご紹介します。

■毎日単語の勉強をする

単語は、現地にいっても自分で覚えなければ増えないものです。また、最低限の単語が分かっていれば現地の方とも単語をつないでコミュニケーションができるので、ぜひ単語は勉強して行きましょう。

週１日まとめて数時間勉強して50単語覚えよう、というよりは、毎日5単語でも10単語でも、コツコツ勉強することをお勧めします。中学レベルの単語で十分です。市販の単語帳でも単語学習用アプリでもＯＫですので、継続して、そして繰り返し学習しましょう。その際、どう発音するのかの音声も一緒に覚えるようにすると、留学先でのコミュニケーションに役立ちます。

単語の学習を始めるのは、早ければ早いほど良いです。将来留学したいと考えている高校生や大学生の皆さんは、ぜひ今日からでもはじめてみてください。

■英語を沢山聞く

英語はまず、聞けるようになってからスピーキング力が伸びていくものです。まずは耳を英語に慣れさせるように、日常的に英語を聞く機会を増やしましょう。好きなドラマや映画でも良いですし、YouTubeや海外のラジオ、ポッドキャストなど、インターネットで無料で手に入るコンテンツもたくさんあります。好きなものを継続的に利用するとよいでしょう。個人的にはドラマがおすすめです。特に、自分の留学先の国が舞台になっているドラマを選ぶと、英語のイントネーションも慣れることができますし、文化も事前に理解することができます。海外ドラマは１話が約40分です。毎日１話ずつみると、段々セリフが聞き取れるようになるのを実感できます。慣れてきたら、日本語字幕を辞めて英語字幕でみることも上達につながるのでお勧めです。

■英会話スクールに通う

効率的に英語を勉強してから出発したい、という方は英会話スクールを利用しましょう。英語学習のプロに教えてもらえるので、英会話スクールでは「英語に慣れる」ではなく「英語を学ぶ」ことができます。出発まで時間が無い方や、ある程度のレベルまで英語力を高めてから留学したい方にはおすすめです。現地では、意味が分かればあまり英語を直してもらうことはありません。英会話スクールで講師に指摘されることで、文法的な間違いや自分の誤った癖を直していきましょう。

まとめ

今回は、英語ができない方が留学する方法について、解説しました。自分の英語力で行けそうな留学先・留学方法は分かりましたでしょうか。もしくは、希望する留学のために必要な英語力を身につけてみる気になりましたか。留学がイメージできた方は、ぜひその留学を有意義にするために、英語学習に取り組んでみましょう。

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