英語リーディング勉強法|英検・TOEIC・TOEFL・IELTSでも使えるテクニック
Summary
あらすじ
英語の長文を読むときに、「時間内に読み終わらない」「内容が頭に入らない」「何度読んでも理解できない」といった悩みはありませんか?
英語の資格試験では必ずリーディング問題が出題されますし、日常的な情報収集でも英語サイトを参照できると調査の幅が大きく広がります。英語を苦手意識なく読めるようになると、触れられる世界は一気に広がります。
今回は、リーディング力を高めるための効果的なテクニックをご紹介します。ぜひ参考にしてください。
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英語リーディングで必要なスキルとは
英検やTOEIC、TOEFLやIELTSといった資格試験では必ずリーディングの問題が出されます。多くの試験では選択肢を与えられていることが多いので、英文を早く読める「速読力」があると時間短縮につながります。また、情報をつかむための「情報検索力」もあると選択肢を選びやすいです。複雑な文章や意見をまとめる問題では、内容を正確に把握する「精読力」が必要なこともあります。
資格試験でなくても、リーディング力は英語の論文やニュースサイトを読む際に使えます。「速読力」があればより多くの記事を参照できますし、同じ時間でたくさんの情報にアクセスすることが可能になります。「情報検索力」があればファクトチェックを行う際に英語圏の情報も収集することができるようになります。このようにビジネスにおいてもリーディング力は取得しておきたい技能と言えます。
これらの能力はすぐに身につけることは難しいのですが、訓練を重ねたり効率的なテクニックを利用すればできるようになります。これから効率的なテクニックを5つご紹介します。
■スラッシュリーディング|英語の語順で理解する
スラッシュリーディングは短文から使えるテクニックです。英文の意味のまとまりごとに「/」スラッシュを入れて区切り読み進めます。英語を分解して読めるようになるので、文法の定着や返り読みをしないで読めるようになります。
例えば、このように行います。
The company / announced / a new policy / to support employees / working from home.
会社は/発表した/新しいポリシーを/従業員を支援するため/家で働いている
スラッシュを入れることで読む範囲が限定されて、負担が減ります。区切るポイントを見つけるにはSVOCといった文法の型を意識するとよいでしょう。前置詞句、接続詞の前で区切ることも有効です。初めは細かく区切り、次第に区切る間隔を長くし、最終的には実際に書き込まずとも頭の中で区切り線を入れられるようになるまで訓練しましょう。
このテクニックは次の資格試験でも有効です。
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英検各級:特に3級・準2級を目指す方にお勧め。準2級の場合、大問3の空所補充・メール問題や大問4の長文読解問題などで活用できる。問題用紙に区切り線を入れ、問題と選択肢を意識しながら読み進める。
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TOEIC:Part 7の長文を素早く読む際に有効。TOEICでは問題用紙に書き込みができないので、頭の中で区切るようにする。
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TOEFL/IELTS:アカデミック文章の速読に有効。
■チャンクリーディング|かたまりで捉える
チャンクリーディングは意味のかたまりを一つの単位として認識する読み方です。かたまりの単位で英語を読む方法はスラッシュリーディングと同じですが、文法の定着により重きを置くスラッシュリーディングに比べて速読を目的としたのがチャンクリーディングです。読むスピードを上げるために単語ごとに読むのではなくかたまりを意識して読むようにしましょう。例えば、このようなかたまりで意識します。
“as a result of” → ~の結果として
“in spite of the fact that” → ~にもかかわらず
よく使われる言い回しを覚えておくと、次の文章がどのような文になるかを推察する手助けにもなります。例えば「as a result of」が出てきたら「次は結果が書かれている」ので注意して読もう、とか、「in spite of the fact that」が出てきたら「これまでの議論の逆や否定が来るかな」と心構えができます。また、チャンクを覚えていくとライティングやスピーキングなどのアウトプットの際に役立ちます。「この表現のほうが自然な言い回しに感じる」など、言語化しづらい判断もできるようになります。
資格試験での活用は次の通りです。
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英検:特に2級・準1級を目指す方にお勧め。長文を素早く理解でき、表現の幅が広がる。
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TOEIC:ビジネス定型表現が多いので効果的。
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TOEFL:アカデミックフレーズのかたまりで覚えるのに有効。
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IELTS:複雑な文構造の理解が早くなる。
■スキミング|全体像を素早くつかむ
スキミングとは文章全体の大意を素早くつかむテクニックです。細部を細かに読むのではなく、全体の流れや要点を理解するのに役立ちます。
タイトル・見出し・最初と最後の段落を重点的に読みます。「For Example~」といった文章ではじまる文はいったん「具体例」としてだけ把握し、設問で内容を問われたら見直すなどをする、といった具合です。固有名詞や数字、強調表現などが出てきたときはスピードを落とし読み進めましょう。
資格試験の長文問題で行うときは、まずは無理のないスピードで読み、ポイントを3つ挙げる、などの練習をしましょう。主題は何か、結論は何か、賛成・反対などはどちらなのか、などを意識してポイントを上げられるようになるとよいでしょう。
資格試験では次のところなどで有効です。
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英検:長文問題に取り組む前の下準備として行う。はじめから精読しない。
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TOEIC Part 7:複数文書問題で全体把握に使う。
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TOEFL :10分で3-4パッセージを処理する際の最初のステップとして行う。
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IELTS:Multiple choice問題で選択肢を絞り込むのに使用する。
■スキャニング|必要な情報だけを探す
スキミングと語感が似ていますが、こちらは必要な情報を探しながら読む方法です。問題の選択肢を読み、答えになりそうな数字や意見などを具体的に調べながら読むときに使うと効果的なテクニックです。例えば「彼はどこにいたでしょう」などの問題が出ている場合、場所が書かれている個所を探す、というような具合です。場所について書かれている個所を見つけたらその個所を精読して、解答の選択肢に沿うキーワードを見つけましょう。例えば、資格試験では次のような箇所で有効です。
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英検:2級大問3などの内容一致問題で特定の情報を探す
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TOEIC:Part7の細部情報問題(時間、場所、人名など)
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TOEFL:Factual information questionsで活用
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IELTS:True/False/Not Given問題で効率的に解答
■パラグラフリーディング|段落構造を理解する
パラグラフリーディングとは、その段落にどのような内容が書かれているかを読む読解方法です。スキミングが文章全体をざっと読むのに対し、こちらは段落単位で「何が書かれている段落なのか」を理解するのに役立ちます。
英語の文章は一定の構造があることを利用した読解法です。例えば典型的な段落構成として次のような例があります。
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トピック文:主題。この段落で何を言いたいのか
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サポート文:支持文。具体例や説明、証拠などを取り上げる
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まとめ/以降の文:結論や次の議論への受け渡し
このような形になっています。
最初の一文と段落末の文をしっかり読むことで、その段落がどのような役割をしているかを把握します。接続詞ではじまっている文章では役割が分かりやすいことが多いです。
例えば以下のようなものです。
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However …逆接なので、前の内容と対比している
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Therefore …結論が書かれている
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For example, …主張を支える具体例が書かれている
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In addition …追加情報が書かれている
このような役割を覚えていると、段落と段落の関係が理解しやすくなります。このようなキーワードになる接続詞などのことをディスコースマーカー(Discourse Markers)と言います。逆接/対比・例示・結果・言い換え・追加などのディスコースマーカーがありますので、是非覚えましょう。
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逆接・対比however, but, on the other hand, in contrast, whereas など
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例示for example, for instance, such as など
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結果・結論therefore, thus, as a result, consequently など
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言い換えin other words, that is, namely など
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追加in addition, furthermore, moreover, also など
このテクニックはどの資格試験でもよく使われます。特に上位級や高スコアを目指す場合にはしっかりと押さえておきたい読解テクニックになりますのでしっかりマスターしましょう。また、英作文で自分で論理だてて文章を書く時にもディスコースマーカーは有効に使えます。頑張って覚えておきましょう。
状況に応じて使い分けよう
読解の時にカギとなるテクニックをご紹介してきました。できればすべて使えるようになるとよいですが、リーディングが苦手、という方は上から順番に試していくとよいと思います。
また、資格試験の場合、テクニックをどこで使うかで解答時間が大幅に短縮できることがあります。特に有効になりそうな問題を次からご紹介します。
■英検
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スラッシュリーディング・チャンクリーディング大問3(長文の内容一致選択)、大問3(空所補充問題)、大問4(英作文・要約問題/1級)
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スキミング大問3の長文問題に取り組む前、大問3(3C:長文要旨把握)
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スキャニング大問3(3A・3B:長文の内容一致選択)、細部情報を問う問題
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パラグラフリーディング大問3全体、大問4(要約問題/1級)、大問3C(長文要旨把握)
■TOEIC
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スラッシュリーディング・チャンクリーディングPart 5-7全体:75分で100問を解くスピードアップに必須
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スキミングPart 7の各文書を読む前:文書の種類(メール、広告、記事など)と話題を確認、Part 7(Multiple passages:176-200)
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スキャニングPart 7(細部情報問題)、Part 7(NOT問題)、Part 7(Multiple passages):複数の文書から特定の情報を探す
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パラグラフリーディングPart 7全体:ビジネス文書の論理展開を理解、Part 7(文挿入問題)、Part 7(主旨問題)
■TOEFL
TOEFL iBTテストは2026年1月に大きな改定が予定されています。ここでは現行式での出題傾向に基づいておすすめを紹介します。改定後に使えるテクニックは随時更新予定です。
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スラッシュリーディング・チャンクリーディングSentence Simplification(文の簡略化)、Inference(推測問題)
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スキミング各パッセージを読む前:10分で700語程度の文章の概要を掴むProse Summary(要約問題)全体の時間配分:54-72分で3-4パッセージを処理するための効率化
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スキャニングFactual Information(事実情報問題)、Negative Factual Information(NOT問題)、Reference(指示語問題)
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パラグラフリーディングInsert Text(文挿入問題)、Rhetorical Purpose(修辞目的問題)、 Prose Summary(要約問題)全体的な読解:問題提起→説明→例示→結論の流れを掴む
■IELTS
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スラッシュリーディング・チャンクリーディングSection 1-3全体、Sentence Completion(文完成)、True/False/Not Given
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スキミングMatching Headings(見出しマッチング):各段落の主旨を素早く把握Section 1-3全体:60分で約2,700語(各セクション約900語)を処理するため、効率的な読み方が必須Multiple Choice:選択肢を絞り込むための全体理解
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スキャニングTrue/False/Not Given、Matching Information(情報マッチング)、Short Answer Questions(短答問題)、Summary/Sentence Completion
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パラグラフリーディングMatching Headings(見出しマッチング)、Matching Information、Section 2-3(より長い文章)
効果的な練習方法
初めのうちは意識してテクニックを使うことが重要です。スラッシュリーディング初心者の方は細かくスラッシュを入れる→大きい単位でスラッシュを入れる、など段階的に引き上げていきましょう。チャンクリーディングで躓いてしまう場合は一度スラッシュリーディングに戻り、などすると効果的です。読む英文はニュース記事やリーディング用教材を使用すると良いでしょう。アカデミックな文章になるほど文章の型を意識した書かれ方をしているので効果的です。そしてなるべく毎日英語に触れる習慣をつけましょう。必ず1記事毎日読むと決めたりすると効果的です。習慣化するには何か別の習慣と組み合わせるといいでしょう。歯磨き中に英文サイトを読むなど、すでに今やっていることにくっつけると効果的です。
資格試験を受ける場合は、過去問や問題集などを利用すると効果的です。その資格で出題されそうな英文を使用すると実際の試験の際にも効果的です。時間を計ってどのくらいの文章を読めるか、を記録に残しておくのもよいでしょう。
一人で学習するのが難しいと感じたら
リーディングは4技能の中でも特に独学でスキルアップを狙える技能です。とはいえ、苦手なことにコツコツ独学で取り組むのは難しいですよね。ご紹介したテクニックが正しく使えているのか、問題に合ったテクニックを選択できているのかなど、迷われるような場合は学校やスクールで学ぶと効率よく学習ができます。リーディングが苦手な理由を見極めてくれるようなベテランの講師の場合、自分に合った練習方法を提示してくれます。また、目標とする資格やスコアがある場合はその資格で出そうな文章を選んで教えてもらうことも可能です。
また、資格試験などではなく、読まなければならないドキュメントがある、仕事上どうしても読めるようになりたいものがある場合などは、プライベートレッスンで学びたい内容を直接教えてくれるような塾やスクールを選ぶと良いでしょう。アカデミックな文章、ビジネス文書でよく使われる言い回しなどには特有のものがありますので、アカデミックイングリッシュやビジネス英語に特化した先生がいらっしゃると安心です。
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