「英語に敬語はない」は大きな誤解?時と場合で使い分けたい英語の丁寧表現

Summary あらすじ

英語には「日本語のような敬語が存在しない」と誤解している人は意外に多いよう。しかし、英語にもビジネスでよく使用される丁寧な表現が多数あります。使用する動詞を変えたり、文頭に少し言葉を付け加えたりするだけで印象が格段にアップ。時・場所・相手との関係性の3点を見極め、その場に相応しい言葉や表現を選ぶようにしましょう。

英語学習を始めたばかりの頃は「自分の意見をはっきりと」「『Yes』『No』をきちんと伝えて」などとアドバイスされたことがあるのではないでしょうか?しかし、はっきりと自分の意見を述べることと尊大で不躾な話し方をすることとは大違い。特にビジネスの場では、TPOに応じた丁寧な言い回しが好まれます。

 

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不躾な表現は嫌われる!その場に相応しい会話力はビジネス成功の必須条件

 

「英語には敬語がない?」「英語では日本語のような尊敬語、謙譲語などは使わない?」と思われがちですが、英語にだって日本語と同じように丁寧な言葉は存在します。友だち同士や家族など、日常的な生活の場では気取らないカジュアルな会話が交わされますが、きちんとしたビジネスの場や公の場では丁寧な英語の言い回しをするのが一般的です。

 

例えばテレビ番組では、外国人タレントがカジュアルな日本語、いわゆる“タメ口”を話す姿をよく見かけますが、重要な会議の場などで同じような外国人に出くわすことはほとんどありません。他愛のない日常シーンなら別ですが、大切な取引先との商談や気難しいボスとの会話では、英語でも日本語でも“タメ口”はあり得ないのです。

 

英語だからとカジュアルな物言いに徹すれば「この人は話にならない」と“仕事ができない人”とのレッテルを貼られることにもなるでしょう。どんな国でも、その場に相応しい会話力を身に付けることは、ビジネス成功の必須条件なのです。

“Please”だけでは足りないことも!英語の丁寧語にも段階がある

 

英語の丁寧な表現として、まず思いつく単語は“please”でしょう。例えば「塩を取ってください」は、“Please pass me the salt. ”と習いましたよね。家族や友だちとの会話ではそれで十分でしょう。

 

では、ビジネスシーンにおいて「資料をご覧ください」と伝えたいとき、“Please take a look at the papers. ”で良いのでしょうか?

 

答えは“YES”でもあり“NO”でもあります。確かに“please”を付けることで若干は丁寧になりますが、あくまで“please”は気軽なお願いレベル。しかるべき相手との会話の際には、もう少し丁寧な表現が望ましいといえます。

 

ちなみに、下記の順で丁寧度が上がっていきます。

Please take a look at the papers. (資料を見てください)

Will/Can you take a look at the papers? (資料を見ていただけますか?)

Would/Could you take a look at the papers? (資料をご覧いただけますでしょうか?)

I was wondering if you could take a look at the papers. (できましたら資料をご覧いただければと思うのですが)

 

ちなみに、“Will you?”は「従ってもらうことを前提とした依頼」のニュアンスがあります。言い方によっては相手を不愉快にさせることがありますので、あまり知らない相手にはWouldやCouldを使用するほうが無難。その他、“Would you mind if~”という言い回しも、丁寧度はかなり高い表現です。

 

なお、どのレベルの丁寧語を使うかは、時と場合により異なります。カジュアルなビジネス会議で恐ろしく丁寧な物言いをすると滑稽に映りますし、逆に襟を正すべき交渉の場や厳正な会議では“please”だけでは横柄な態度だと思われることもあるため、注意しましょう。

使う単語を変えるだけで印象が格段にアップ!ビジネスシーンに馴染む言い回し

 

I would like to ask about your new products. (御社の新商品についてお尋ねしたいのですが)

 

これは、何かを問い合わせるときによく使う表現です。もちろん、このままでも十分通じますが、動詞を少し変えるだけでよりビジネスシーンに馴染むようになります具体的には“ask”を“inquire”に変え“I would like to inquire about your new products. ”とすれば、よりフォーマルでビジネスにこなれた印象に。

 

同様に、ビジネスシーンの会話では“sorry”の代わりに“apologize”、“help”の代わりに“assist”なども多用されます。他にも、感謝を伝える“appreciate”や、依頼の際の“request”など、英語のビジネスメールや文書でよく見かける単語はチェックしておきましょう。

 

また、相手にお断りするときや反論するときはより慎重に。「英語では、はっきりと意見を言うのが良い」というのを鵜呑みにして“No, I can’t accept your proposal. (あなたのご提案は受け入れられません)”と強く言ってしまうと、今後の付き合いに悪い影響を与えかねません。

 

Unfortunately, I can’t accept your proposal. (残念ながら、あなたの提案は受け入れられません)”など、文頭に少し言葉を付け加えるだけで、失礼なくお断りすることができます。つまり、明確な表現を好む英語でも、ただ言いたいことを言い放つのではなく、相手の気持ちをおもんばかる言葉や表現を挟んでから自己主張することがポイントなのです。

英語の敬語を選ぶ際は、時・場所・相手との関係性の3点で見極めよう

 

日本語でも、時と場所、相手によって言葉や態度を変えるように、英語にもその時々に相応しい表現があります。しかし、いつ、どんなときに、どの程度の丁寧語を使えば良いのかを判断するのは一筋縄ではいきません。上司がフレンドリーな関係を求めているのにもかかわらず、いつまで経っても妙にかしこまった英語を話していると、「打ち解けない奴だな」と思われたり、「自分と親しくなりたくないのだな」と誤解されたりすることもあるでしょう。

 

心地良い人間関係を築くには、相手との距離感を見極めることが必要です。人間関係に絶対のルール・マニュアルはありません。その時々の状況にしっくり馴染む英語を選ぶことができれば、ビジネスはスムーズに進んでいくはずです。

 

筆者:林カオリ/ライター・エディター

関西を拠点に活躍するライター・エディター(クリエイティブオフィスCOUJIN代表)。知的財産管理技能士。日本にてコピーライター、編集者、ライターを経験した後、15年間オーストラリアに在住。シドニーでは日豪両国の各種媒体に執筆を行う傍ら、2児の海外出産と子育てを経験する。海外の実体験に基づくライフスタイル、旅行、教育、留学関連記事が得意。

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