日本の野球場とは一味違う!アメリカのボールパーク文化

最近、アメリカでは、野球場を「スタジアム」ではなく、「ボールパーク」と呼びます。「ボールパーク」はさまざまな「お楽しみ」があるのが特徴。より多くの人に訪れてもらい、地域活性化につなげることを理想とする文化は、日本のプロ野球にも取り入れられつつあります。その空間を満喫する5つのヒントを参考にアメリカのボールパーク文化を楽しみましょう。
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Introduction
「スタジアム」から「ボールパーク」へ。
今、アメリカで「野球場」の呼び方が変わってきています。競技重視の意味合いが強い「スタジアム」に対し、「ボールパーク」はそれに加えて「エンターテイメント性」に注力しているのが特徴です。
今回は、そんなアメリカのボールパーク文化についてご紹介します。
アメリカのボールパークには「お楽しみ」がいっぱい!

ボールパークの「エンターテイメント性」とは、さまざまな「お楽しみ」があること。例えば、球場内にプールや子どもが遊べる砂場があったり、スタンドが蒸気船の形をしていたり、また、野球の試合がない日には、球場横で散歩やピクニックができる市民の憩いの場所に変身します。格安のオペラコンサートなどが行われる場合もあるのだとか。
代表的なのが、サンフランシスコ・ジャイアンツの本拠地「AT&Tパーク」。ライト裏に海が迫っていて、場外ホームランは「海ポチャ」となることで有名な球場です。「スプラッシュヒット」と呼ばれる、それらのボールを狙う人々が海上をカヌーで漂う光景はお馴染み。「スプラッシュヒット」が出ると同時に、海側の噴水が出る仕掛けになっています。
また、地元企業「リーバイス」の定番ブランド「501」にちなんで、バッターボックスから501フィートの表示があるところに「リーバイスランディング」という名の席が設けられ、頭上の「501」のサインにホームランボールが命中すると、そのシートに座った人全員に「リーバイス501」がプレゼントされます。さらに、この「リーバイスランディング」下の「ナットホール」という球場外の遊歩道からは、無料で試合をチラ見することが可能。「AT&Tパーク」の懐の深さを感じますね。他にも、場内には巨大なコカコーラボトルのオブジェの中に24mもの長い滑り台があり、子どもたちに大人気です。
このように誰もが楽しめる場所を目指したアメリカのボールパーク文化は、現在、日本のプロ野球にも取り入れられつつあります。「楽天生命パーク宮城」は、2016年から球場横にミニ遊園地「スマイルグリコパーク」を併設していますし、横浜DeNAベイスターズは「コミュニティボールパーク構想」を掲げて周辺開発も含めて計画を進行中。ボールパークに人を集め、地域の活性化につなげようとしています。
ボールパークを満喫するための5つのヒント

アメリカMLBのボールパークでは、緑の天然芝と赤土のコントラスト、そして世界最高峰の野球を堪能できます。そんな空間を満喫するには以下の5つのヒントを参考にしてみてください。
1.チームカラーを身につけて行く
それぞれの球団にはチームカラーがあります。球団ユニフォームを着るのがベストですが、そうでなくとも何かしらのチームカラーを身につけてボールパークに行けば、より地元ファンとの一体感を味わうことができるでしょう。
2.地元の名物に挑戦する
ドジャースタジアムの「ドジャードッグ」や、フェンウェイパークの「ロブスターロール」など、それぞれのボールパークに地元の名物があります。ちなみに、売店以外で売り子から直接買った場合は、お釣りの小銭はチップとして渡すのがマナーです。
3.近くのファンと英語で会話してみる
試合の合間に英語で会話してみましょう。
・He is not an easy batter. (この打者は、手強いですね)
・He must be on an upbeat. (今日、彼は調子がいい)
・What a play! He has done it! (素晴らしいプレイですね、やりました!)
・Charge! (いけ!)
・It’s going to be tough. (ここはピンチですね)
・We are going to get it! (もらった!)
・That was close. Too bad! (惜しかったですね、残念!)
4.イニングの合間のイベントを楽しむ
鳴り物応援が禁止のMLB。その分、イニングの合間にはさまざまなイベントが行われます。ワシントンDCの「ナショナルズ・パーク」名物「プレジデンツ・レース」は、歴代の大統領に扮した人々がかけっこをするという、いかにも首都らしいイベント。また、7回裏の攻撃前にみんなで歌う『Take Me Out to the Ball Game(私を野球に連れてって)』は、MLB の定番ソングです。
5.大型モニターに注目する
ボールパーク内の大型モニターには、観客を盛り上げる役目もあります。例えば「キスカム」と表示されたとき、モニターに映し出されたカップルはその場でキスをしなくてはいけません! 時折「大声を出して」などの指示が出るので、そこはノリ良く対応しましょう。
野球がボールパークを作り、街を作り、そして家族を作る

ある知人が、こんな話をしてくれました。
「アメリカ人は、本当に野球好き。2歳くらいの男の子が、ユニフォームを着てプレイしているの。運良くボールが当たって、3塁に走っちゃったりしてね。でも、それを家族総出で応援している様子は微笑ましいわ。野球が家族の絆を強くしている感じね」
ボールパークは、そんな人々にとっては温かい子ども時代に戻れる場所であり、地元のつながりを実感できる空間なのでしょう。野球がボールパークを作り、街を作り、そして家族を作る。ボールパークの究極の目標は、そこなのかもしれません。
筆者:洲巻三恵子/ライター
大手家電メーカーにて秘書業務を5年間経験した後、スペインで1年間のインターンシッププログラムに参加。帰国後、リクルートが発行する情報誌の編集業務に4年間、ベンチャー企業の立ち上げに1年間携わり、家族の仕事の都合でドイツへ移住。5年半の滞在中、2回の海外出産を経験し、現在は4児の母。趣味は旅行で、南米やアフリカも含め、訪れた国は約30か国に上る。
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