海外のイベントをのぞき見!フランス「カンヌ国際映画祭」

世界各地では、1年を通してさまざまなイベント・お祭りが開催されています。 このシリーズでは、海外のイベントを「のぞき見!」してみたいと思います。今回、ご紹介するのはフランスの「カンヌ国際映画祭」。日本でも有名な世界的な映画祭です。
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目次
記念すべき70周年を迎える「カンヌ国際映画祭」

カンヌ、ベネチア、ベルリンの映画祭は「世界三大映画祭」として日本でも広く知られていますよね。毎年5月に開催されるカンヌ国際映画祭は、記念すべき70周年を迎えます。今年は5月17(水)~28日(日)に開催される予定で、世界中からノミネートされた20本前後の作品が、著名な映画人や文化人によって審査され、パルムドール(Palme d’Or)と呼ばれる最高賞をはじめ、さまざまな賞が選ばれます。
そんなカンヌ国際映画祭ですが、映画関係者、メディア関係者、その他、常連顧客などを対象としたイベントで、誰もが参加できるものではありません。会場に入場するためには、招待状や許可証が必要です。
カンヌ国際映画祭の開催期間中、リゾート地である南仏のカンヌでは、夜通しイベントやパーティが行われ、町全体が華やかなムードに包まれます。メイン劇場である「リュミエール劇場」の入り口に敷かれている有名なレッドカーペットは、周りに柵が設けられているものの、その外からは一般の人でも眺めることは可能です。
全映画の言語はフランス語と英語。一般客が参加できるイベントも併催!

また、一般の人が入れるイベントも併催されています。メイン会場からほど近いマセ海岸に設置された野外スクリーンで映画が楽しめる「シネマ・ドゥ・ラ・プラージュ(CINEMA DE LA PLAGE)」などが代表的。
このイベントでは、映画祭開催期間中の毎晩21時半から、オフィシャルセレクション内の非コンペティション部門や、カンヌクラシックの作品が無料で上映されます。座席は300くらいあり、先着順。カンヌ市観光案内所で招待券が配布されていることもあるようです。万が一、座れなくても、座席のある横の浜辺からもスクリーンを観ることはできます。時には、有名な俳優さんなどがゲスト登壇することもあり、おすすめのイベントです。
さらには、映画祭事務局とは別の組織によって運営されている「監督週間」(Quinzaine des Realisateurs)、および「批評家週間」(Semaine de la Critique)という映画イベントも開催され、こちらも一般客が参加できます。「監督週間」は、チケット売り場でチケットを購入して上映会場に並んで入場する、という仕組み。チケット6枚セットで30ユーロ(事前購入で24ユーロ)などお手ごろな価格で、日本の作品も上映されることがあるため、こちらもおすすめ。一方、「批評家週間」は無料で鑑賞することができます。チケット発行をあらかじめ予約しておき、会場に並んで席を取ります。
ちなみに、カンヌ映画祭で上映される全映画の言語はフランス語と英語。英仏が映画内の言語ではない場合には、フランス語と英語の字幕がつき、プログラムなどもすべて2言語併記。フランス語ができない場合でも、英語で事足ります。
映画祭に併設される「映画の見本市」としては世界最大!盛大に賑わう

そして、カンヌ国際映画祭に併催するかたちで「映画の見本市(マルシェあるいはマーケットと呼ぶ)」も開催されます。この見本市も世界3大映画マーケットのひとつで、イタリア・ミラノのMIFED、米国・ロサンジェルスのアメリカン・フィルム・マーケット(AFM)と並んで有名ですが、映画祭に併設されているマーケットとしては世界最大。来場者数は約12,000人ほどです。
映画製作者が新作を持ち込み、配給会社に売り込むのが主なマーケットの目的ですが、新作探しのためにプロデューサーやバイヤーなどもたくさん来場します。約150の国・自治体のフィルム・コミッションもパビリオンを出展して盛大に賑わいます。
実は私も、カンヌ映画祭に出張したのはこちらのマーケットでのPR支援のためでした。制作プロダクションから新作のPRを依頼され、各国の映画祭に赴きました。今もJETRO(日本貿易振興機構)の支援で日本の制作会社などが参加しているそうです。国や自治体がパビリオンを出し、フィルム・コミッションがロケーションの誘致を行うだけでなく、特産物を紹介したり、その国の映画祭への参加をPRしたりしているセクションもあります。
映画好きにはたまらないカンヌ国際映画祭。英語ができればより身近に

カンヌ国際映画祭を観光客として純粋に楽しむも良し、映画関係者となって仕事として赴くも良し、あるいは併設の見本市へのビジネストリップも良し。
映画好きにはたまらないカンヌ国際映画祭。英語ができれば、より身近なイベントになることでしょう。
筆者:岡本きよみ/PRディレクター
株式会社Harris PR & Consulting Office代表取締役。PRディレクターとして主に食、旅、美容、ウェルネス、カルチャーなどの広報活動に関わる。米国の高校を卒業後、日本の大学に進学。専攻は英米語、言語学。JTB、日航のアウトバウンド・インバウンド業務に従事した後、出産を機に、P&Gファーイーストインク(当時)に転職。広報渉外部および研究開発部に10年間勤務の後、家族とともにニュージーランドに滞在。帰国後、外資系ホテルの広報、外資系PR会社のヴァイスプレジデント、アメリカ政府観光機関のPRディレクタ―などを経て、現職。
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