会話は英語オンリー!「English Bar」に潜入取材!

2017.05.29英会話

日本に住んでいると、映画やテレビ、新聞などで英語を聞いたり読んだりする“インプット”の機会はたくさんありますが、会話のように英語を“アウトプット”する場面はあまり多くありません。

 

「もっと英語を話したい!」。そんな願いを叶えてくれるイベントがあると聞いて、神戸市・三宮を訪れました。やって来たのは三宮駅からほど近い、カフェバー「en+(エンタス)」。ここでは、お客さん同士がお酒を片手に英語だけで会話するイベント「English Bar」が月一で開催されています。

 

どんなイベントなのか、潜入してみました!

「Cheers!」の掛け声で、3時間にわたる「English Bar」スタート!

今回の参加者は、普段より多く13名。20~30代のサラリーマンから、ピースボートに数回乗った60代の女性まで実にさまざまでした。参加費は4,000円で食事とフリードリンク付き。頼めるドリンクは、ビールやハイボールなどの他に、梅酒や果実酒も数種類。もちろん、ソフトドリンクもあります。ちなみに、店内は貸し切りではありません。

 

参加者にドリンクが行き渡ったところで、いよいよ「English Bar」の開幕!主催者で店主の上田和良さん(以下、KAZさん)の「Cheers!」の掛け声に合わせて乾杯したあと、それぞれの自己紹介から「English Bar」は始まりました。ここから3時間、会話は英語オンリーです。英語の勉強のために英語を喋ろうと思っても、日本人同士では、なかなか気恥ずかしいもの。そのため、「Cheers!」で一気に切り替わるのは良かったです。

 

いつもの自己紹介ではありますが、英語は日本語に比べて表現がオーバーなおかげか、ときどき周りから「Really!?」「Why?」「Go on!」などの合いの手やフォローが入り、どんどん会話が活気づいていきます。

「English Bar」では、事前にトピックを決めるようなことはしないため、会話のテーマはその日の参加者次第。今回、よくある話題の「好きなこと」の真逆の「嫌いなこと」から派生し、テーマは「思わず怒りを覚えた瞬間」に(笑)。これが意外にもおもしろく、サラリーマンの男性が取引先との苦労話をすれば「I see!」「It happens!」といった声が上がりました。

 

お酒が入ったフランクな雰囲気の中、食事の大皿料理が順番に運ばれてきて、さらに場が和みます。料理を取り分けるときに話しかけたり、食事の話でアイスブレイクできたりするのも、会話の潤滑油的な役割を果たしていました。

その後、席替えをしましたが、今度はダイエットの話でヒートアップ。話題の中心だった男性がオペラを学びに1年間ニューヨークへ留学した話にも広がって、この日の少し前に誕生日を迎えていたKAZさんにバースデーソングをサプライズで歌ってもらうことに。私たちはもちろん、店内にいた他の一般のお客さんも一体になって拍手喝采する楽しいハプニングが起こりました。

 

デザートにチーズケーキが出てきて、時計を見ればもう22時前。よく飲み、よく食べ、よく喋り、とても楽しい時間はあっという間に過ぎ去ります。KAZさんから指名された数人が、本日の感想を発表することに。

 

「英語を思うように喋ることができず悔しかったので、もっと勉強してまた参加したい」という年配の男性の意見が個人的には印象に残りました。というのも、私もとっさに英語の言葉やフレーズが出なくて、もどかしく感じ反省していたところだったからです。特に相槌や合いの手の表現が同じになりがちだったので、もう少しバリエーションを持って次回に挑みたいと思いました。

言葉はあくまでツール。自分なりの考えを持っていないと英語は話せない

イベント終了後、「English Bar」を主催するKAZさんに話を聞きました。

 

【Profile】
上田和良さん
「en+(エンタス)」店主。愛称KAZさん。大学時代に「ピースボート地球一周の旅」のポスターを見て電撃が走り乗船。多種多様な乗船客と本音のふれあいで新しい価値観を見つけ、大学卒業後はフリーターをしながら、舞台を通して社会を活気づけるNPO法人コモンビートの創設から関わる。後に、2007年、神戸でカフェバー「en+」をオープン。ユニークな店名は“縁を足していく場所にしたい”から。「English Bar」をはじめ、数々のイベントも開催している。

 

―― 「English Bar」を始めたきっかけを教えてください。

 

「English Bar」は、4~5年前にお客さんの持ち込みで始まりました。当初は国際交流を目指していたのですが、外国の方を集めるのが大変で……ある日、ついに外国人の参加者がゼロになってしまったんです。でも、日本人だけの参加になったその日のイベントは、予想外の盛り上がりを見せました。改めて考えると、今までは外国の人ばかりが話して、日本人は聞き手になっていたことに気づいたんです。それで “日本人対象の英語だけの飲み会”にしたら好評になりました。

 

―― 英語が片言でも参加できますか?

 

実は、僕も日常会話の英語でつまずくレベルです(笑)。でも、「English Bar」では楽しい時間を過ごせていますよ。「中学校を卒業していたら英会話はできる」というのが僕の持論です。むしろ英語が苦手な方が、言葉がシンプルで、意見もストレートでわかりやすいため、どんどん会話に参加できると思います。

 

―― でも、英語のレベルもバックグラウンドも違う参加者の中だと、怖気づいてしまって発言できない人もいそうですが……

 

日本語だと自分の意見を否定されると傷ついて黙り込みがちですが、英語だと不思議と受け入れられて「Why?(なんで?)」などと聞き返せるんですよね。英語独特の雰囲気がそうさせるのか、普段は大人しい人も英語だと饒舌になったりしますよ。

 

なお、言葉はあくまでツールでしかありませんので、それ以前に、世の中のさまざまなトピックに対して自分なりの考えを持っているか、ということの方が大切だと思います。

 

ある旅好きの女性は、世界中を旅してきたために「自分は英会話を問題なくできる」と思っていたそうです。でも、「English Bar」に参加して、たまたま福祉やジェンダーがテーマになったとき、言葉が止まってしまったことで「私は英語を話せないんだ」と実感されたとか。旅先での英会話は「私の名前は〇〇です。好きなことは〇〇で~」などパターン化していたことに気づいたとおっしゃられていましたよ。

 

―― 立場や視点の違いからは学べることが多いんですね。最後に「English Bar」を楽しむコツを教えてください。

 

「English Bar」は大人同士の飲み会ですので、まわりは気遣ってくれますが、満足しよう、楽しもうと思ったら、自分から行動してみることです。「英語だから」というわけではなく、主体的に行動して得られる成功体験も「English Bar」で実感してほしいと思います。

英会話を通して人と人との縁をつなぐ「English Bar」に参加して気づいたこと

さて、今回のリポートはいかがでしたか?

 

「英語だけの飲み会」ということで参加してみて純粋に楽しかったのですが、KAZさんの話をうかがって、多様性から得られる学び、会話のパターン化の反省、英語をもっと楽しむためにできることなど、いろいろと改めて考えさせられ、「English Bar」の深さに驚きました。

 

いろんな人の視点を受け入れて自分なりに考え、それを自らの言葉で発信していくことは、海外のさまざまなシーンで役立ちそうです。

 

KAZさん、そして「English Bar」の参加者のみなさん、ありがとうございました!

 

【取材協力】
Cafe&Bar&Gallery en+(エンタス)
http://www.entas.info/

 

Interviewer&Writer:児島奈美/トラベルライター
旅行雑誌やWEB等で、国内外問わず現地へ足を運び取材・撮影を行う。得意分野は、旅のルポ、グルメ取材、人物インタビューで、渡航した海外はプライベートを含め約40か国。雑誌立ち上げのために約3か月、ベトナムに滞在したほか、プライベートで欧州周遊(約3か月)、米国横断(約1か月)、東南アジア周遊(約3週間)、米国滞在(約1年)の経験も持つ。実践の場で英語を使うことが多く、「英語はツール」をモットーに、わかりやすく使える英語を心掛けている。

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