「栄光の3日間」と呼ばれ、フランスで最も有名なワイン祭り！

フランス・ブルゴーニュ「ワイン祭り」は、毎年11月の第3週末に3日間、ブルゴーニュの首都、ボーヌを中心に盛大に行われます。今年は、11月17、18、19日に開催。

ちなみに、日本でも「ボジョレーヌーヴォーの解禁日（毎年11月の第3木曜日）」が知られていますが、ボジョレーヌーヴォーとは、ブルゴーニュにあるボジョレー地区の新酒です。

ワインの葡萄は9月～10月に収穫され、その後にワインの仕込みが始まります。秋はフランス各地でワイン祭りが開催されますが、このブルゴーニュのワイン祭りは「栄光の3日間（Les Trois Glorieuses レ・トロワ・グロリユゥーズ）」と呼ばれ、フランスで最も有名。普段は静かなボーヌの街も、この期間は華やいだ雰囲気に包まれます。

その年に収穫された新酒の試飲会や、ワインの競売会（オークション）が開かれ、世界中からワイン商が訪れます。なお、一般の人がオークションに参加するのは難しいのですが、会場には自由に入ることができるため、見学することは可能です。

オテルデューには新種のワインを求めて行列！おいしいグルメも目白押し！

1451年に建てられた施療院（市民病院）の建物「オテルデュー（神の家）」では、オークションに出される新酒ワインの有料試飲会場が用意されます。行列ができますが、さまざまなカーブ（ワイン蔵）のワインが試飲できるとあって、ワイン好きには訪れてほしいところです。

オテルデューの向かいにあるマルシェ・オ・ヴァン（Marche aux Vins）もおすすめ。入り口で料金を払うと、貝の形をした試飲皿（タスト・ヴァン）を首に下げてくれ、地下のカーブで40種ほどのワインを試飲できます。ここは、最後の方に良いワインが登場します。

他にも、25ユーロほどで100種類のワインが飲み放題という特設会場が開かれているのを見かけたことがあるので、現地で確認したうえで参加するのも楽しそうです。

お祭りとあって、中心部の広場の周りにはたくさんの屋台が出ます。スパイスの効いたホットワインやグラススワインはもちろん、温かいスープやチーズ、ソーセージ、バゲットサンド、エスカルゴ、牡蠣、トリュフなどおいしいグルメが目白押し。

私が好きなのは「ジャンボン・ペルシエ」と呼ばれるハムと野菜のゼリー寄せや、ブルゴーニュ名物のカエルの腿肉のフライなど。これは、ブルゴーニュで人気のワインにとても合う料理です。

ワインを通じて異文化交流！フランスの文化を感じよう！

そして、最終日の日曜日には、ボーヌの南部ムルソーで、大晩餐会（葡萄農家の収穫祝い）が開かれます。本来は、収穫を祝う農家の人たちの行事なのですが、一般の人でも予約をすれば参加できます。ただ、1～2年前から予約しないと難しいかもしれません。

ブルゴーニュのボーヌには、パリから1時間半くらいなので日帰りも可能ですが、ゆっくりと楽しむには1泊か2泊できると良いでしょう。世界中から人が集まるフランスのワイン祭りは、フランスの文化を感じるとともに、ワインを通じて異文化交流できるのが最大の醍醐味です。

筆者：岡本きよみ／PRディレクター

株式会社Harris PR & Consulting Office代表取締役。PRディレクターとして主に食、旅、美容、ウェルネス、カルチャーなどの広報活動に関わる。米国の高校を卒業後、日本の大学に進学。専攻は英米語、言語学。JTB、日航のアウトバウンド・インバウンド業務に従事した後、出産を機に、P&Gファーイーストインク（当時）に転職。広報渉外部および研究開発部に10年間勤務の後、家族とともにニュージーランドに滞在。帰国後、外資系ホテルの広報、外資系PR会社のヴァイスプレジデント、アメリカ政府観光機関のPRディレクタ―などを経て、現職。