老若男女の社交場!お酒だけじゃないイギリスのパブ文化

2019.01.15トピックス
Summary あらすじ

イギリス全土にあるパブは「public house」の略であり文字通り「公共の存在」。お酒を飲みに行くほか、友人との語らいを楽しんだりライブを楽しんだり、さまざまな楽しみ方があります。パブの独自のルールや楽しむコツなどを予習して本場のパブを訪れてみましょう。

「客層、広すぎ!」

 

イギリス郊外のあるパブに入ったとき、私は思わず驚いてしまいました。それほど老若男女が入り混じっていたのです。一緒にいた知人は「これぞpublic house(公共の家)ね」とニッコリ。そのときに初めて「パブ」が「パブリック・ハウスの略であることを知った私は、目から鱗が落ちるような思いでした。

 

今回は、そんなイギリスのパブ文化についてご紹介します。

イギリスのパブは「公共の存在」。日本の居酒屋との違い

 

日本人は「パブ=お酒を飲みに行く場所」というイメージを抱きますが、これはYESでもありNOでもあります。イギリス在住の知人は「目的が『お酒』でなくてもいいの。『友人との語らい』でも『サッカー中継の観戦』でもいい。一言にパブと言っても『お庭が自慢』『子ども歓迎』『ライブなどのイベントが盛ん』など本当に多種多様。そのときの目的に合わせた店を選ぶのよ」と教えてくれました。実際、彼女は下戸ですが、パブの常連だそうです。

 

パブはイギリス全土に5万軒以上あるともいわれています。現在パブは生き残りをかけて「3F、すなわちFamily(家族)、Females(女性)、Food(食べ物)」を大切にする傾向にあるそうです。あまり料理の評判が良くないイギリスですが、「ガストロパブ」と呼ばれる趣向を凝らした美食を提供するパブは人気上昇中。知人は「この前、パブでタイカレーを食べたけれど、美味しかったわよ!」と、話してくれました。

 

そして私は、こんな疑問をぶつけてみました。「パブと居酒屋、何が違うの?」

 

彼女の答えはこうでした。「パブは、その名の通り『公共の存在』なのよ。昔、イギリスで橋を架けるために老舗のパブが取り壊しになることになったらしいんだけど、住民の反対運動が起こった結果、橋の方が移動したの。それほど、住民にとってパブは公共性の高い大切なもの。日本の居酒屋ではそんなことは起こらないでしょ?」

彼女の言葉にイギリスのパブ文化を少し理解できた気がしました。

パブでビールを注文するには?楽しみ方の基本

 

イギリスのパブには、独自のルールや楽しむコツがあります。ぜひ、予習をしてから足を運びましょう。

 

【注文】

バーカウンターで注文し、その場で支払う「キャッシュ・オン・デリバリー」方式が一般的。ビールの注文単位は「pint(パイント)」で、1 pint(イギリスでは0.56ℓ)が多い場合は「A half pint(半パイント)」でも注文できます。自分でビールをテーブルまで運ぶため、基本的に店員へのチップは不要。注文するときは以下のように言いましょう。

 

Can I have a pint of “London Pride”?

(ロンドン・プライドを1パイントください)

 

I would like to try local mild ale. Do you have any recommendation?

(地元のマイルドエールが飲みたいんですが、おすすめはありますか?)

 

【ビールの種類】

パブで「ビールをください」は通じません。銘柄か、エール、スタウト、ラガーといったビールの種類を伝える必要があります。ちなみに、伝統あるエールビールは常温発酵タイプ、ラガービールは19世紀以降に出現した低温発酵タイプです。冷たい喉越しを楽しみたいときはラガービールを、コクを味わいたいのであればエールビールやスタウトビールを選ぶと良いでしょう。

 

【ビールの味わいについての表現】

ビール独特の味わいは以下のように表現します。

 

This beer is very hoppy.

(コクがある)

 

That’s a crisp beer.

(キレがある)

 

That’s refreshing!

(喉越しが良い)

 

「コクがある」というニュアンスで「rich」と言ってしまいそうですが、この言葉はチョコレートなどを表現するとき使う単語。また、ワインでよく聞く「body」もビールには使いません。

 

【「ラウンド」とは】

数人の仲間で来た場合は、1人ずつ順番にグループ全員に奢るのがパブのルール。これを「round(ラウンド)」といいます。自分の番が来たら「It’s my round.(次は私の奢りだ)」と言うのがお約束です。

 

【パブを楽しむコツ】

パブとエールビールをこよなく愛するイギリス人男性が教えてくれました。

 

「パブに行ったら、その土地ならではの地ビールを試してほしいな。ロンドンならばLondon Pride、コーンウォールならTribute、ヨークならJohn SmithsやBoddingtonsというようにね。パブに行ってラガービールの代表のCarlingやFostersなんて頼んだら『つまらないものを頼む奴だ』なんて店員に思われるかもしれないよ(笑)! 」

 

香りと深いコクのあるビールを味わいながら、同時に仲間との会話も楽しむこれがイギリスらしいパブスタイルなのかもしれません。

 

パブは、素顔のイギリス人に出会える場所

 

一見よそよそしいイギリス人ですが、パブではお茶目で心優しい一面を見せてくれることがあります。以前に田舎のパブを訪れたときのことです。外国人をあまり見たことのない店のご主人が私たちに地元のニュースを語ってくれたことがあり、そのときの温かい会話は何にも増して旅の良い思い出となりました。それこそパブの魅力!

 

機会があれば、本場のパブを訪れてみてください。

 

 

筆者:洲巻三恵子/ライター

大手家電メーカーにて秘書業務を5年間経験した後、スペインで1年間のインターンシッププログラムに参加。帰国後、リクルートが発行する情報誌の編集業務に4年間、ベンチャー企業の立ち上げに1年間携わり、家族の仕事の都合でドイツへ移住。5年半の滞在中、2回の海外出産を経験し、現在は4児の母。趣味は旅行で、南米やアフリカも含め、訪れた国は約30か国に上る。

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