芳醇な香りに酔いしれて。海外ワイナリー巡りの楽しみ方

ワイナリー巡りは今や旅行を楽しくする娯楽のひとつです。ブランコなどの遊具やレストラン、宿泊施設が併設されているワイナリーやワインスクールを開講しているところも。訪問のマナーを守ってワイナリーを巡れば、ワインの魅力を再発見できるはずです。
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Introduction
「Wine Tourism(ワイン観光)」という言葉を聞いたことがありますか?
これは1960年代後半、アメリカの醸造家たちが自分たちもヨーロッパに負けない上質のワインが造れることを人々に知ってもらおうと、それまで試飲スペースさえなかったワイナリーにレストランを建設したり、ワイナリー内部やぶどう畑を公開したりしたのが始まりといわれています。その流れを受けて、ワイナリー巡りは今やひとつの「娯楽」になっているのです。
今回は、そんなワイナリー巡りの楽しみ方をご紹介しましょう。
ワイナリーの場所や規模、施設、ツアー内容などの情報収集を

ワイナリー巡りは、まず目的を決めることから始めましょう。
お気に入りのワインと出会いたいならば、おすすめのワインを数種類飲ませてくれる「Tasting Menu(テイスティングメニュー)」を用意しているワイナリーを。生産量が少ないために一般に流通していないワインに出会えることもありますし、試飲したグラスをお土産にくれるところもあります。
また、ゆったりとした時間を過ごしたい人は、地元料理とワインとの組み合わせを堪能できるレストランや、家族連れが楽しめるようにブランコなどの遊具を併設している大型ワイナリーを選びましょう。さらにワイナリーによっては、ワインスクールや料理教室を開講していたり、季節によっては農作業のお手伝いができたりすることも。ワイナリーの場所だけでなく、規模、施設、ツアー内容など、事前の情報収集がより良い思い出作りにつながります。
星の数ほどあるワイナリーのうち、ひとつおすすめを挙げるとすれば、ドイツのモーゼル地方にある「Schloss Lieser(シュロス・リーザー)」。
主要なドイツワインガイドのすべてにおいて最高評価を獲得するほどの実力派であるだけでなく、ワイナリー横にある5つ星のレストランは、訪れる人が中世の貴族になった気分を味わうことができる格式の高さを備えています。
周辺一帯はニューヨークタイムズで「52の行くべき場所」にも選ばれたほど風光明媚な地域で、オーナーの奥さま自らテイスティング・販売に丁寧に対応してくださる気さくさ・温かさも魅力。「前のオーナーから古城の改築などすべてを任されて、2019年の夏にはホテルもオープンするわ」とのことでしたので、ドイツを訪れた際は足をのばす価値がありますよ。
【シュロス・リーザーHP(英語版)】
http://en.weingut-schloss-lieser.de
【シュロス・リーザー古城ホテル(英語版)】
ワインを試飲したら英語で感想を。ワイナリー巡りの注意点

ワイナリーを訪問する際、いくつか注意すべきポイントがあります。
ワイナリーは郊外にあることが多く、やはり車は必要。運転のためにお酒を飲まない人「Designated Driver」(注:『ハンドルキーパー』は和製英語です)を決めておきましょう。
もし参加者全員が心置きなく飲みたいのであれば、ホテルのフロントなどで「Can we rent a minivan with a driver?(運転手付きのミニバンを借りられますか?)」と聞くか、宿泊施設付ワイナリーを探してください。
訪れる季節も大切なポイント。緑に囲まれたピクニックを楽しみたいのであれば夏場がおすすめです。私がフランス・ボルドー地方のワイナリーツアーに参加したとき、土の状態を知るためにぶどう畑にバラも植えていることや、ステンレス樽とオーク樽の違いといったさまざまなことを教えてもらいましたが、醸造家の方からゆっくり話を聞きたいのであれば、収穫期などの繁忙期を避けた季節に訪問した方が良いでしょう。
また、試飲には無料と有料がありますが、無料であればその後に気に入ったワインを購入するのがマナー。なお、試飲したワインについては「This wine has a smooth taste.(口当たりがいいですね)」や「This wine has nice aroma.(いい香りですね)」など、感想を述べるようにしましょう。
そして言うまでもないことですが、色や味わいと同時に香りを楽しむワイナリーではきつい香水は避けるべきですし、屋外で静かにできないペットの同伴は控えてください。
ワイナリー巡りをすれば、ワインの魅力を再発見できる

アメリカの知人がこのように話してくれたことがあります。
「なぜワイナリー巡りをするかって?訪れたワイナリーの醸造家の方から『昔、フランスからぶどうを持ってきたんだけれど、なかなか根付いてくれなくて。育つまで時間がかかった大切なワインだから、娘の名前をつけたんだよ』なんて話を聞くと、ワインがより美味しく感じちゃうからよ(笑)」
ワイナリー巡りは、さまざまな出会いを通してワインの魅力を再発見できるきっかけとなるはずです。たとえワインにそれほど詳しくなくても、大自然の営みを感じつつ美味しい食事に舌鼓を打つ時間を過ごせばリフレッシュできることでしょう。旅行の際には、ぜひその土地のワイナリーを訪ねてみてください。
筆者:洲巻三恵子/ライター
大手家電メーカーにて秘書業務を5年間経験した後、スペインで1年間のインターンシッププログラムに参加。帰国後、リクルートが発行する情報誌の編集業務に4年間、ベンチャー企業の立ち上げに1年間携わり、家族の仕事の都合でドイツへ移住。5年半の滞在中、2回の海外出産を経験し、現在は4児の母。趣味は旅行で、南米やアフリカも含め、訪れた国は約30か国に上る。
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