英検®留学とは?概要や必要なレベル、学校の種類、注意点まで徹底解説
英検留学とは、英検のスコアを英語力の証明として利用し、海外の教育機関に留学することです。 英検は、2004年から留学に必要な語学力の証明試験として認められ、現在、アメリカ・オーストラリア・カナダなど、400を超える大学・カレッジが英検留学を受け入れています。 今回は、その英検留学について、詳しく解説します。
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英検®留学とは?
■英検®とは?
英検とは、「公益財団法人 日本英語検定協会」が主催している英語検定試験のことで、正式には「実用英語技能検定」と言います。2022年度 (2022年4月1日~2023年3月31日) の総志願者数は約420万人と、毎年とても多くの方が受験されている試験です。従来型は年3回(6〜7月、10〜11月、1〜2月)、全国の各会場でテストが実施されています。S-CBT形式は原則毎週土日(会場によっては平日も)に実施され、受験日を選ぶことができます。
英検®には難易度の高い方から1級、準1級、2級、準2級、3級、4級、5級の7つの級があり、自分の英語レベルに応じた試験を選べるため、小学生~社会人まで幅広い層で受験されているのが特徴的です。
1~3級ではリーディング・ライティング・リスニング・スピーキングの4技能を測定します。4~5級ではリーディング・リスニングの2技能のみですが任意でスピーキングを受けることも可能です。
試験は一次試験(リーディング・ライティング・リスニング)と二次試験(スピーキング)に分かれていて、従来型はそれぞれ別の日に行われます。一次試験で合格点に達した場合のみ二次試験を受けることができます。S-CBT形式では1日で4科目受けることになります。
英検®の成績表には試験を受けた級の合否の結果と、CSEというスコアが表記されています。CSEとは「Common Scale for English」の略で、統計的手法に基づいて英検®の各技能のスコアを算出したものです。CSEは、ヨーロッパの英語圏で広く利用されているCEFR(Common European Framework of Reference for Languages)のようなグローバルな英語力の指標と英検®を関連付けるため、2016年から導入されました。
英検®CSEスコアは、級によって各技能の満点は異なりますが、全ての級において、同じ基準で評価されます。これにより、英検®何級に合格したかだけでなく、自分の英語力を国際的な基準と比較することが簡単になりました。
▼英検®・TOEFL iBT®テスト・IELTSの違い
英語技能の検定試験には、英検®のほかにTOEFL iBT®テストやIELTSがあります。
それぞれの違いについて見てみましょう。
▼英検®で奨学金を得られることがある
英検®を受験し資格を得ることには様々なメリットがあります。
高校や大学、大学院の入学試験では取得級に応じて合否が有利になる場合があります。また在学中にも英語の単位として認定している学校もあります。また、準2級〜1級の合格者は、「高等学校卒業程度認定試験」の試験科目「英語」が免除になります。英検®は文部科学省の後援を受けていることから、国内での信頼と実績が非常に高い資格ですので、就職や転職においても強いアピールポイントとなります。実際に教員採用試験の際には、英検®で準1級や1級の資格を持っている場合、教員採用試験の一部が免除されることがあります。
そのほかにも、英検を利用して奨学金などの給付を得られる場合があります。国内の大学では英検準1級以上を条件として入学金や学費の免除を行ったり、奨学金の給付を行っている学校がいくつかあります。また学生の海外の大学留学に関して援助を行っている機関もあります。「公益財団法人 平和中島財団」は英検1級やTOEFL iBT90の資格を有する応募者に対して、海外留学の奨学金を提供しています。
■英検®留学とは?
英検®留学とは、英検®の資格を利用して海外の大学やカレッジ、高校などの教育機関に留学することです。
TOEFL iBT®テストやIELTSに比べて英検®は国内向けの資格であるイメージが強いですが、現在北米を含む約400大学・カレッジが留学時の語学力証明として認定しており、オーストラリアでは5州の州立高校全校で認定されているなど、海外での認知度や活用シーンが増えてきています。
英検®は日本人にとって馴染みがあり受験料も比較的安価であることから、留学を考える際には自分の目標とする海外の高校や大学で入学資格として利用できるかどうか調べてみると良いでしょう。
英検®で海外留学ができる国
■ アメリカ
英検®を利用した海外留学が可能な国の代表格はアメリカです。
アメリカには世界トップクラスの大学がいくつもありますが、それ以外にも公立のコミュニティ・カレッジ(Community College)と私立の短大(Junior College)の2年制大学があり、2年間の学部課程で、準学士号が取得できます。4年制大学に比べて入学に必要な英語力などのレベルが易しいのが特徴です。卒業後に4年制大学への編入も可能なことから、留学の第一ステップとして適しているといえます。大学留学に英検®を利用したい方にはアメリカが第一候補となるでしょう。
■オーストラリア
留学やワーキングホリデーの渡航先として絶大な人気があるオーストラリアでも、英検®の資格が活用可能となってきています。オーストラリアは世界でも有数の教育水準を誇り、大学の数は全国で41校と少数ながら世界のトップ100校に8校もランクインしています。自国の学生のみならず、留学生にも手厚い保障があることも有名で、学生ビザで渡航する留学生にオーストラリア人学生と同等の教育を保証することが国家法で定められています。世界基準で治安が良いことや親日国であることも、安心して留学できる理由と言えるでしょう。なお英検®を利用できる留学先として州立高校が多いのが特徴的です。
■その他
アメリカ・オーストラリア以外で英検®留学ができる国には、カナダ・ニュージーランド・チェコ共和国があげられます。しかし、留学できる学校はカナダが6校、ニュージーランドとチェコが1校ずつと選択肢がほとんど無いため、英検®留学の場合は学校が限定されてしまうので気を付けましょう。
英検®で留学できる学校
■高校留学
英検®を高校留学に利用する場合、何級の資格があればよいのでしょうか?
一般的には「英検®2級A以上」の資格が必要とされています。「英検®2級A以上」というのは
・英検®2級に合格している
・4技能合計CSEスコアが2150以上
この条件を満たす場合に認定されます。合計CSEスコアが2150以上であったとしても、二次試験が不合格であった場合は認定されません。なお目安ではありますが、英検®2級AはIELTSだと4.5~5.5、TOEFL iBT®テストだと61点に相当すると言われています。
オーストラリアでは以下の州の各公立高校で、英検®が入学資格として利用可能です。
– ニューサウスウェールズ州
– クイーンズランド州
– ビクトリア州
– 西オーストラリア州
またアメリカでは、ワシントン州の高校「The Northwest School」で利用することが可能です。
■2年制大学
アメリカの2年制大学には公立の「コミュニティカレッジ」と私立の「ジュニアカレッジ」があります。コミュニティカレッジは地域住民の教育を目的とした大学で、州からの財政支援により授業料が低く設定されています。ジュニアカレッジは宗教系団体などによって運営されている大学で、少人数のクラスでしっかりとしたサポートが受けられる一方、コミュニティカレッジより費用がかかります。
留学においては、費用や入学難易度の面から「コミュニティカレッジ」が留学先として選ばれることが多くなっています。英語力に不安のある方にとって最初から4年制大学への留学を目指すのはハードルが高いため、まずコミュニティカレッジへ入学し、2年間はそこで一般教養とより高い英語力を身につけ、卒業後に4年制大学へ編入することが留学のステップとして有効です。このような2年制大学への留学に際して、語学力の証明として英検®を利用することが可能です。
オーストラリアには、AQF (Australian Qualification Framework) という特徴的な教育制度があります。これは中学、高校、専門学校、大学、大学院で取得できる資格・学位を全国的に認定する統一システムで、一つの学校で取った学位や資格を他の学校でも利用することができるようになっています。オーストラリアの大学へ直接留学するには英語力に不安があるという場合、英検®を入学資格としている専門学校や専門機関で英語力のアップと単位の取得をし、そのあと目的の大学へ編入することもできます。
■4年制大学
アメリカの公立や私立の4年制大学でも、英検®を入学資格として認定している学校が多くあります。英検®認定を行っているアメリカの学校については、以下の日本英語検定協会のHPから検索が可能です。
参考:英検 |英検認定校検索
またオーストラリアのクイーンズランド州にある「University of the Sunshine Coast」への出願においても、英語力の証明として英検®のスコアが提出可能となっています。
海外留学に必要な英検®は何級?
高校留学に必要な英検®のスコアは「 英検®2級A以上」とお伝えしましたが、海外の4年制大学への進学の場合に要求されるスコアの目安は「準1級以上」と言われています。アメリカの場合、4年制大学で2級Aを認定している学校もありますが約25校程度と少なく、それが準1級になると100校以上と留学先の選択肢が非常に広がります。自分にあった留学先を選ぶためにも、できれば準1級の合格を目指すことが望ましいといえるでしょう。
英検®留学における注意点
■英検®の留学有効期限が2年
英検®の資格には基本的に有効期限がなく、一度合格した資格が失効することはありません。ただし留学に利用する目的の場合は、有効期限が合格証明書発行日から数えて2年間と定められています。また出願先が期限を短く定めている場合もありますので、志望する進学先の要件には注意しておきましょう。
■英検®スコアレポートの発行手続きが必要
英検®資格を語学力の証明として利用するには、「スコアレポート」を留学先の教育機関へ提出しなければなりません。なおレポートは英検®留学情報センターが目的の大学などへ直接送付しますので、留学する本人が教育機関などへスコアの送付を行うわけではないことに注意して下さい。
スコアレポート送付の申請と発送の流れは次のようになります。
1. 以下の3点を用意し、英検®留学情報センターに郵送もしくはメールにて送付
・スコアレポート発行依頼書
・身分証明書の写し(運転免許証・パスポート・健康保険証・学生証・生徒手帳・マイナンバーカード)
・証明写真用の顔写真
2. スコアレポート発行手数料を銀行振込もしくは現金書留等で支払う (1通につき2,200円)
3. 上記の申請が確認され次第英検®留学情報センターより各志望校へ送付
手続きの詳細に関しては、日本英語検定協会のHPに記載がありますので確認しておきましょう。
まとめ
今回は、英検®留学するための概要やレベルについて解説しました。ご自分が英検®を使って留学できそうかどうか、分かりましたでしょうか?必要な級が決まったら、それに向けて計画を立てて学習を進めましょう。どう学習して良いか分からない、効率的に進めたい、という方には専門スクールでの学習をお勧めします。
日米英語学院では、各受講生の現在のレベルから目標とするスコアやレベルを最短、最速で取得するため、個人別カリキュラムをお作りして効率的に学習いただいています。資格取得対策のプロである日本人講師が主に英検®対策レッスンを担当。二次試験のための英会話学習は外国人講師が初心者にも丁寧に指導、知識を増やすことはもちろん、英語に慣れていくことができます。また授業以外でも、コーディネーターとの学習カウンセリングや、自主学習として単語テストや模擬試験などのサポート体制が充実しています。
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現在の英語力はどんなレベルか、いつまでに取得したいか、これまでどんな学習をされてきて、現在学習面でどんな悩みを抱えているか、などそれぞれの状況によって、目標達成へのアプローチ方法は異なります。日米英語学院では、まずは学校説明会(対面・オンライン選択可)にて、カウンセリングやレベルチェックを行い、お一人おひとりにピッタリのカリキュラムでの学習をご案内しています。レッスンは、通学/オンライン、グループ/マンツーマン、日本人講師/外国人講師から最適なチョイスで受講いただけます。通学まで考えていなくても、まずは相談してみると、情報が手に入ります。英検®取得について、ぜひ一度相談してみてはいかがでしょうか。
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