TOEIC® IPテストって何?TOEIC®公開テストとの違いやメリットについて

英語力を測る基準としてほとんどの企業が導入しているのがTOEIC®テストスコア。大手外資系の企業ではインターン採用の応募資格として使われることもあるようです。世界160か国で実施されている信頼性の高いTOEIC®テストですが、「公開テスト」と「IPテスト」という二つの実施形態があるのをご存じでしょうか。この記事では、TOEIC® IPテストを中心に二つのテストの違いを解説。この記事を読めば、どちらのTOEIC®テストを選ぶべきかがわかります。
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目次
TOEIC®IPテストとは?

TOEIC®公開テストが個人で申込み受験をする個人受験のテストであるのに対して、TOEIC® IP(Institutional Program)テストは団体受験のテストです。
具体的には、大学や企業、英語学校、塾などがテストを主催し、所属する学生や社員、生徒が主催団体に申し込んで受験をします。
試験内容はTOEIC®が作成しますが、試験監督や会場の準備など運営はすべて主催団体が行います。
受験する学生は通いなれた教室や、会議室、オンラインテストなら自宅のPCでテストを受けることになります。
TOEIC® IPテストの特徴・公開テストとの違い

TOEIC®IPテストと公開テストの違いをまとめたのが上の図表です。
従来はIPテストと公開テストという2種類の選択肢でしたが、2020年4月以降はTOEIC® IPでのみオンライン受験ができるようになりました。
これにより現在は受験スタイルの幅はぐんと広がっています。
次の章で詳しく解説します。
■オンラインで受けることができる
TOEIC® IPテスト(オンライン)は外出の自粛やリモートワークの普及を背景として2020年4月にスタートした新しい形式で、TOEIC®が実施している4種全てのテストがオンラインで受けられます。
▼IPテストでオンライン受験が可能なテスト
TOEIC® Listening & Reading Tests
TOEIC® Speaking & Writing Tests
TOEIC Bridge® Listening & Reading Tests
TOEIC Bridge® Speaking & Writing Tests
オンラインのIPテストでも、従来のペーパーテストと変わりなく公式のスコアとして資格として履歴書に記載が可能。
スコアも0から990。ペーパーテストと同じです。
▼24時間いつでもどこでも受験が可能
ログインして任意のタイミングでテストを開始する方法のため、団体が指定した受験日中であれば何時でも受験が可能です。
また、受験場所は主催団体の指定になりますが、自宅で自身のパソコンで受ける場合が多いです。
TOEIC® IPテスト(オンライン)はこんな人にオススメ
・外出を控えている
・日中は業務から離れられない
・大学の授業やバイトが飛び飛びで入っているので隙間時間を利用して受験したい
・試験会場に遅刻しないか心配
参考:IIBC | TOEIC Program IPテスト オンライン
■オンラインならCATが採用されているため1時間で終わる
公開テストとペーパー試験のIPテストは2時間の受験時間が設定されています。
しかし、IPテスト(オンライン)は1時間で受けることができます。
なぜなら、問題数が少なくなっているからです。
TOEIC® L&Rテストの問題数
公開テスト、IPテスト(ペーパー)…リスニング100問、リーディング100問
IPテスト(オンライン)…リスニング45問、リーディング45問
リスニングの写真描写問題、リーディングの長文穴埋め問題など問題の内容や構成は他のTOEIC® L&Rテストと変わりません。
IPテスト(オンライン)だけが少ない問題数/受験時間になっている理由は、CTAというシステムを導入しているからです。
▼適応型の問題構成システムCTA
CTA(Computer Adaptive Test)とは、受験者のレベルに合わせて出題する問題を選択、最適化する仕組みの試験です。
TOEIC® IPテスト(オンライン)は、Unit OneとUnit Twoの二つで構成されています。
前半のUnit Oneでは、全ての受験者に同じ問題が25問出題されます。このUnit Oneの問題の正答率によって、後半Unit Twoの20問は回答者に適したレベルの問題が出題されます。
適合型の問題構成により少ない問題で受験者の能力を判断することが可能になった結果、試験時間も半分で済むようになりました。
実際の受験者からも、テスト時間が1時間になったことで従来のテストより集中しやすかった、という感想が聞かれます。
参考:IIBC | TOEIC Program IPテスト オンライン
■問題が過去問である
TOEIC®公開テストは常に新しい問題で実施されますが、TOEIC® IPテストは過去の公開テストの問題を組み合わせて出題されます。
テストの難易度は公開テスト、IPテストともに常に一定になるように厳格に管理されており差はありません。
何度も受けている方は過去問の方が有利な印象を受けるかもしれませんが、過去問の出題範囲は広く、またTOEIC®テストは試験問題用紙を持ち帰ることができないため過去問での対策はできません。
過去問であっても新規の問題であっても難しさに差はないと言えます。
また、テストの平均スコアも公開テストの方がIPテストより高いです。
2019年度TOEIC🄬 L&Rテスト受験者の平均スコア
全体 公開テスト :588 IPテスト:470
社会人 公開テスト :612 IPテスト: 497
学生 公開テスト :567 IPテスト:448
公開テストの方がIPテストよりも受験者の平均スコアが高い理由は、受験者のモチベーションによるところも大きいと考えられます。
団体が手続きを代行してくれて受験費用も安価なIPテストに比べ、公開テストは申込手続きも自己で行い、費用もIPと比較すると割高です。
それでも受験をする人は入試や昇進などそれなりの理由があると考えられ、試験対策も力を入れていると考えられます。
とはいえ、団体受験であっても昇進がかかっている場合もありますし、あくまで一つの傾向です。
また、得点差が大きくないことを考えるとテストの難易度に違いはないというのが結論になります。
参考:IIBC|TOEIC Program DATA & ANALYSIS 2020 まとまる
■TOEIC®公開テストよりも受験者が多い
IPテストと公開テストの受験者数を比較すると、IPテストの方が僅かですが数が多いです。
TOEIC®テストの受験者数を公開テストとIPテストで比較
2018年度 IPテスト:1,212,000人 公開テスト:1,244,000人
2019年度 IPテスト:1,038,000人 公開テスト:1,167,000人
2020年度 IPテスト:679,000人 公開テスト:854,000人
2020年度はコロナの影響があり、会場の確保が公開/IPともに困難だったため、受験者人数が落ち込んでいます。
ただ、公開テストとIPテストを比較するとIPテストの方がオンラインテストの導入もあり影響が少なかったことがわかります。
参考:IIBC|2020年度 TOEIC Program総受験者数は約169万人
TOEIC®IPテストのメリット

大学や企業が主催するIPテストにはメリットがたくさんあります。
3つのメリット
・受験料がリーズナブル
・手続きが簡単
・スコアが受験直後に分かる
■受験料がリーズナブルである
TOEIC🄬テストの受験料はIPテストの方が3,500円ほど低く設定されています。
2022年2月現在の受験料の比較
公開テスト:7,810円
IPテスト(ペーパー/オンライン共通):4,230円
※税込価格
一度の受験で満足の行くスコアがとれるとは限りません。
まずはTOEIC®テストがどのような試験か知りたい人や公式認定書の必要がない方は、費用を優先してIPテストを受けるのがお勧めです。
■手続きが簡単である
学校や企業が主催するIPテストは、公開テストと比較して手続きが少ないというメリットがあります。
▼申込が簡単
公開テストへの申し込みは個人で資料を取り寄せて記載をしたり、WEB上で申し込み手続きを行ったり手間がかかります。
一方、IPテストでは団体に簡単な書類を渡すだけで申し込みそのものは担当者が一括で行ってくれます。
▼試験日や会場の融通がきく
公開テストは指定された時間に慣れない遠くの会場まで移動しなければならず、長い移動の拘束時間や道に迷って試験に間に合わないなどリスクも高くなります。また日曜が試験日のため週末に仕事の入っている人は受けにくい事情もあります。
IPテストなら主催団体の都合で受験日が決められますし、通いなれた大学や会社で受けることができます。
IPテスト(オンライン)なら受験日中いつでも開始でき、自宅で受けることもできて利便性はさらに高くなります。
▼顔写真の用意が不要
公開テストでは受験票に顔写真が必要になりますが、IPテストでは不要です。
■受けた直後に結果が分かる
TOEIC® IPテスト(オンライン)では、受験後すぐにスコアが画面上に表示されます。
公開テストだと、受験後スコアが分かるまでの期間は約3週間、IPテスト(ペーパー)でも約5営業日かかります。
受験後すぐにスコアが知りたい!という人はIPテスト(オンライン)にしましょう。
▼スコアは必ず保存
オンライン受験の場合は、公式認定書やスコアレポートのような紙になったものは何も送られてきません。
スコアは、テスト直後に表示される他、後日、オンライン上にPDFで掲載されます。証明が必要になった時のためにスコアを確認後は画面のキャプチャを撮ったりPDFをダウンロードしたりして必ず保存をしましょう。
参考:IIBC | TOEIC Program 団体特別受験制度(IPテスト)にオンライン方式を追加
■履歴書に書くこともできる
公開テストとIPテストは問題の構成や難易度は全く同じですので、公開テストと同様に履歴書にスコアを書いて英語力をアピールできます。
TOEIC®テストを運営しているIIBCのWEBサイトには以下のように記載されています。
公開テスト、IPテストおよびIPテスト(オンライン)のテスト結果(スコア)の意味は同じです。
ただし、IPテストは、当協会の管理下で実施・運営する公開テストと異なり、テスト実施の進行・管理を実施団体に委ねている点から、 Official Score Certificate(公式認定証)は発行されません。
公式認定証を発行しない理由は管理運営にあり、テストとしての重さは同じであることがわかります。
▼履歴書への記載スコアについて
一般的な職種の場合は600点以上のスコアを記載します。
英語を日常的に使う仕事の場合は、ややハードルがあがり750点以上になります。
スコアそのものももちろんですが、高いスコアを取るには計画的勉強が必要になるため「継続して努力ができる」と人間性も評価されます。
また、スコアには有効期限は設定されていません。
何度も受けたことのある方ならその中で一番良かったスコアを記載してもかまいません。
TOEIC® IPテストの注意点

メリットの多いTOEIC® IPテストですが、制限や留意すべき点がいくつかあります。
・団体の所属員のみしか受けられない
・公式認定証が発行されない
・受ける環境を準備しなければならない
■団体に所属していないと受けることができない
大学であればその学生。
企業であればその社員。
英語学校や塾ならその生徒や塾生でなければ受けられません。
外部の方が開催団体に申込むことは出来ませんので留意しましょう。
▼受験者1名からでも開催可能に
従来のIPテストは10人の受験生が必要でしたが、IP(オンライン)なら1名から開催が可能。かつ運営も従来より簡単なので所属する学校や企業に開催の予定がないか聞いてみてもいいかもしれません。
▼英語学校に入学して大幅スコアアップ!
また、団体に所属をしていない方は英語学校に入学するのもおすすめです。
費用はかかりますが、プロの講師の指導により短期間で効率よくスコアアップできますし、スクールでIPテストを受験できれば受験料の負担は軽減できます。
英語学校がおすすめの方
・目標のスコア、取得期間が決まっている方
・200点、300点の大幅アップを実現したい方
・850点以上のハイスコアを狙う方
こういった方は、独学よりも資格対策に強い英語学校での対策がお勧めです。
日米英語学院は二カ月に1度校内でTOEIC® IPテストを実施。通いなれた校舎でTOEIC® IPテストを受けることができます。
■公式認定証が発行されない
先ほども少し触れましたが、公開テスト受験後に発行される公式認定証はIPテストでは発行されません。
履歴書への記載は公開テストでもIPテストでも可能ですが、公式認定証の提出を求められる場合は公開テストの受験が必要になります。
公官庁や大学院、全国通訳案内士などの試験免除のためのTOEIC®テストスコア提出が代表的ですが、企業の採用でもごくまれに公式認定証の提出が求められる場合があります。
■受ける環境を整える必要がある
TOEIC® IPテスト(オンライン)に限ってですが、パソコンやwi-fiなど受験環境を自分で準備しなければならない場合があります。
事前に配布される受験のしおりには、受験できるデバイスや推奨環境、オンライン受験ならではの注意点が記載されています。
▼機器の準備
スマートフォンでは受験できません。
パソコンもしくはipadで受験できますが、ipadを使用する際には事前にアプリをダウンロードしておく必要があります。
Windows/Macどちらも使用できますが、safariは使用できませんのでMacの方はChromeで受験することになります。
リスニングテストの時のためにヘッドフォンやイヤホンを使う方はそれも準備しておきます。
▼wi-fiは安定した環境で
職場や学校によってはカフェなど公共の場所で受けても良いと言われることもあるかもしれませんが、接続の不安定な場所での使用はおすすめしません。
もし、通信が切れたりパソコンが固まってしまった時は、一度ブラウザを閉じて中断して大丈夫です。
再度試験にログインをすると、Resume Test(テストを再開する)という表示が出てテストを継続することができます。
▼オンラインならではの操作
Unit oneを終了してUnit twoに進むと、Unit oneには戻ることはできません。
時間がかかりそうな問題は問題用紙に記をつけておいて最後まで解いてから戻る、という方法はペーパーテストでは当たりですがオンラインではこの方法は使用できません。
Unit内であれば、問題のスキップができます。未回答にした問題にはマークをつけることもでき、Reviewの機能を使えば回答/未回答を一覧で把握できて便利です。
リスニングでは常套手段の選択肢の先読みもクリックして先に進むオンライン受験の時は使えません。
内容一致の問題はパラグラフごとに出されるので問題文を聞きながら最初の選択肢に目を通し、次のパラグラフが読まれる時に二つめの問題に目を通すように進めることはできます。
また、スクロールをしていてうっかり問題を見逃してしまうミスもオンラインならではですが、UnitごとにReview機能で確認することで防ぐことができます。
塾やスクールを活用してTOEIC®IPテストに挑むメリット

すでに基礎的な英語力のある人が正しく対策や準備をすれば、TOEIC®IPテストの独学での学習は可能です。
ただし、受ける環境を準備することが難しい方や開催団体に所属していない方は、英語スクールや塾を活用することで確実かつ効率的にゴールに到達できます。
スクールなどの団体ならばご自身で受験環境を整える必要がなく、普段から通い慣れている場所でTOEIC IPテストを受験することができます。さらにレッスンを組み合わせて受講するタイプのスクールや講師と1対1のプライベートレッスンなら、不得意なパートのレッスンのみ受講できたり、自分のレベルに合わせた授業内容をお願いできます。
TOEIC® IPテストを攻略するなら日米英語学院

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受講生の声
N.T.さん(会社員)|教育訓練給付金制度を利用して受講。TOEIC®スコアが120点アップしました!
もともと英語には興味がありましたが、履歴書に書ける資格を持っていませんでした。
転職の可能性も考え、職業訓練給付金制度を利用して通学したいと思いました。
駅近で通いやすく授業の日以外でも気軽に立ち寄れて良いと思います。
Ayaさん(大学生)|受講スタートから約4ヶ月でTOEIC® L&Rスコアが600点から775点にアップ!
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先生は厳しい時もありますが、自分のためになりました。
その他、サポートが手厚く、自習スペースで単語テストや模擬試験もできる点が良かったなどのお声もいただいています。
現在の英語力はどんなレベルか、いつまでに何点取得したいか、これまでどんな学習をされてきて、現在学習面でどんな悩みを抱えているか、などそれぞれの状況によって、目標達成へのアプローチ方法は異なります。日米英語学院では、まずは学校説明会(対面・オンライン選択可)にて、カウンセリングやレベルチェックを行い、お一人おひとりにピッタリのカリキュラムでの学習をご案内しています。レッスンは、通学/オンライン、グループ/マンツーマン、日本人講師/外国人講師から最適なチョイスで受講いただけます。TOEIC®テストスコアアップを実現したい方は、ぜひ一度、学校説明会にてご相談ください。